老人ホーム情報

地域包括ケアシステムの取り組みと今後

介護が必要になっても、高齢者が住み慣れた町、住み慣れた家で自分らしい暮らし方ができる社会を目指して厚生労働省が取り組んでいる「地域包括ケアシステム」。現在の取り組みとこれからの地域ケアについて考えてみましょう。

各自治体の主な取り組み事例

各自治体の主な取り組み事例

地域包括ケアシステムは「医療から介護」、「病院・施設から地域・自宅」へと大きな流れを変える取り組みです。厚生労働省では2025年の実現に向けて、各自治体に3年ごとの介護保険事業計画の策定・実施を促していますが、すでにある程度の成果を得ている事例もあります。

鹿児島県大和村の取り組み
人口約1,600人の大和村では、村民が「地域支え合いマップ」を作り、近隣近所づきあいの大切さを再認識する取り組みを行なっています。この地図の作成後、村民が要介護者を喫茶店の"マスター"として抜擢して「ご近所喫茶」を催すなど、このような一連の活動から、要介護者が畑に出たり、家に引きこもりがちだった高齢者が外に出てアクティブな活動を行なうようになりました。また、村は必要に応じ、財政支援を行なうとともに、村民との対話の場を多く持つようになりました。
東京都世田谷区の取り組み
東京23区内最大の人口を有する世田谷区では、大都市ならではの事業者ネットワークを区の指導によって構築しています。高齢者が「医療」、「介護」、「住まい」、「予防」、「生活支援」をバランスよく享受できるよう、病院や老人ホーム、介護事業者、地域の高齢者クラブと連携すると同時に、NPO、事業者、大学などの団体が協力して、高齢者の社会参加の場や機会づくりを行なう「せたがや生涯現役ネットワーク」を作り、社会参加を促進しています。また、行政では、「区立高齢者センター」を民営化し、「都市型軽費老人ホーム」をオープンしたり、空き家・空き部屋などを再活用して地域活動のサロンにしたり、在宅医療の充実化を図るために、医療関係者やケアマネジャーらで構成する「世田谷区医療連携推進協議会」を発足させるなど、介護におけるインフラ整備に着手しています。

このように、過疎地域でも大都市でも、住民が中心となり、その住民にあった介護サービスを行なうことで高齢化社会を住みやすくしようと取り組んでいます。

今後の地域包括ケアを担う「地域包括支援センター」の存在

今後の地域包括ケアを担う「地域包括支援センター」の存在

今後、地域包括ケアシステムが地域に浸透していくには、「地域包括支援センター」の存在が欠かせません。地域包括支援センターは、全国の市区町村に約4,300ヵ所設置(2013年現在)されており、地域の高齢者の総合的な相談にのったり、権利擁護や支援体制づくり、介護予防についての援助などを行なうなど、地域包括ケアシステムを円滑に動かすための中核組織となっています。

これらのシステムが順調に動くようになるには、まず第一に住民の意識が変わらないといけません。介護は、将来の自分自身が必要となるということを意識し、自分だったら要介護者にどのような手を差し伸べられるかを考え、将来の自分のために実際に行動することが重要です。

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