老人ホーム情報

老人ホームが倒産したらどうなりますか?

民間企業が運営する有料老人ホームは、収益が悪化すれば一般企業と同様に「倒産」します。企業情報データベース会社、帝国バンクの発表によれば、老人福祉関連事業者の倒産事例は2011年以降、増加傾向に転じており、その約77%が「10年未満」での倒産となっています。では、もし、入居後に老人ホームが倒産したら入居者はどうなるのでしょうか。

倒産・破産の場合は、強制的に退去させられるの?

倒産・破産の場合は、強制的に退去させられるの?

有料老人ホームでは民間企業が運営するという性質上、倒産・破産という可能性はゼロではありません。しかし、実際に倒産した場合に利用者がその施設から出て行かなければならないということは基本的にはありません。その最たる例が、2006年に起きた「コムスン事件」です。当時、訪問介護最大手だったコムスンは2006年~2007年にかけて、介護報酬不正請求や違法な指定申請、利用者の入居一時金が未払い扱いになっているなどの問題が次々と発覚し、事業譲渡(事実上の倒産)が行なわれました。全国6万5000人の利用者とその家族、2万4000人以上の職員に影響を及ぼしたこの事件は、その多くの事業が別の大手企業に事業が引き継がれ、利用者が退去させられたり、職員が強制的に辞職させられるということはありませんでした。このように、ほとんどの場合、事業譲渡が行なわれますが、運営企業が刑事責任を負うような事態(例えば、職員による利用者への虐待・暴行など)になった場合や老朽化による倒産などの特殊なケースでは、退去しなければならない場合も考えられます。

入居一時金が返ってこない場合がある?

入居一時金が返ってこない場合がある?

負債が膨れ上がって営業が厳しくなり、他の企業が事業を引き継ぐといった場合には、月額利用料やその他のルールが変更になる場合があります。そうしたルール変更への不満から退去をしようとするときに気を付けないといけないのが「入居一時金の保全問題」です。入居一時金は本来、償却期間内であれば返金しなくてはならず、老人福祉法第29条第6項において「有料老人ホームの入居金(前払い金)の保全措置」を義務付けられています。また、厚生労働省でも以下のように保全措置を規定しています。

  1. 入居金の預り残高の内、 未償却部分として返還しなければならない金額と500万円のいずれか低い金額を保全しなければならない
  2. 銀行などの連帯保証・特定格付けに合致する親会社の連帯保証・保険会社による保証保険・全国有料老人ホーム協会基金などの方法によること
  3. 保全措置義務が課せられるのは、平成18年(2006年)4月以降に開設される有料老人ホームに限る

入居前に入居一時金の償却に関することを質問される人はほとんどですが、入居一時金の保全措置について把握している人は少ないのではないでしょうか。保全措置のことも十分に確認しておきましょう。

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