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老人ホーム・介護施設の施設長に事前相談すべき内容とは?

「老人ホーム」の施設長は、老人ホームの責任者であり、施設のサービスの質と雰囲気に深くかかわる人物です。老人ホームへの入居を希望し、施設を選ぶとき、どうしても費用、設備などに目が行ってしまいがちになります。しかし、施設長がどのような人物か確認しておくと、施設の全体像を掴むことができるのです。「老人ホーム・介護施設の施設長に事前相談すべき内容とは?」では、施設長の役割、入居前に事前相談すべき内容をご紹介します。

老人ホームの施設長の役割とは

老人ホームの施設長

施設長は、老人ホーム全体を管理し、運営のすべてを統括する責任者です。施設長は「センター長」や「所長」、「管理者」と呼ばれることも。どの呼び方でも、役割や業務内容に大きな違いはありません。なお、特別養護老人ホームなどの公的な施設では、施設長の配置が法的に義務付けられています。

施設長の仕事は、老人ホームの管理が主です。①サービス管理、②人事労務管理、③財務管理という3つの柱を監督することで、健全で安心できる老人ホームの運営を実現させています。以下に、ひとつずつ施設長の役割を見ていきましょう。

1サービス管理

施設を利用している人に対して適切な介護サービスを提供できるよう、施設長が中心となって、職員への指導と情報共有を行います。施設長は職員が実施するサービス内容を常に把握し、トラブルや事故など不測の事態にも対応を取れるような体制を作らなければなりません。日中は施設内に常駐し、夜間は緊急連絡体制を整えて万が一に備えます。また、職員と入居者様との良好な関係性を築く橋渡し的存在でもあり、信頼関係を深め、安心して介護サービスを受けられる体制にしなければならないのです。

2人事労務管理
スタッフの採用や教育研修を行い、人員配置や労働環境を整備することも施設長の役割です。各スタッフの特性を把握し、最適な部署に配置することで、入居者様が満足するサービスを提供することが可能になります。また、スタッフが楽しく働けるような環境にしなければ、離職によってスタッフが減り、サービスの質が悪くなってしまうことも。入居者様とスタッフ双方のことを考えた、バランスの良い環境作りが求められます。
3財務管理
施設長は、施設の収支を管理し、適切な経営状態の維持を行います。具体的には月額利用料や介護サービス利用料などの収入、都道府県から指定を受けた公的施設は介護給付費の管理と、諸経費による損益分岐点から収支バランスを取ることが必要。また、決算後2ヵ月以内には原則として予算内容を含んだ前年度事業報告書と本年度事業計画書を作成し、職員に周知する必要があります。

入居する前に施設長と会うべき理由

入居前に施設長と会うことは、施設の運営方針やスタッフの指導方法を理解する上で非常に大切。なぜなら、施設の運営は施設長の考え方や能力によって大きく左右されるためです。入居者様に直接サービスを提供しているのはスタッフですが、施設長は施設全体を管理し、スタッフの上司として間接的にかかわっています。入居前に施設長がどんな考え方で施設を運営しているのかを知ることで、施設のサービスの質や雰囲気を知ることができ、入居を決めるための助けになるのです。

施設長に確認すべき3つのこと

実際に施設長に会ったとき、施設長の話や在住している入居者様を見ることで、施設での生活が想像できます。そのため、事前に確認すべきポイントは以下の3つです。

介護や施設について理解しているか

疑問はすべて施設長へ聞く

介護や施設について施設長がどれくらい理解しているかは、その施設の質を知る上で非常に重要です。なぜなら、老人ホームの施設長は介護資格が必要なく、実際に現場に出て介護をしたことがなくても就任できるため。

介護や施設について深く理解していることは、現場に最適な指示を出して監督できるかどうかにかかわります。そのため、施設長がどれだけの期間その役職を務めてきたのか、また、施設長になるまでの経歴を確認することは、施設のサービスの質を判断する上で大きなポイントとなるのです。

スタッフにどのような対応をしているか

スタッフに対しての態度や言動が、提供されるサービスの質に影響を与えることがあります。万が一、施設長がスタッフに対し思いやりのない言動を取っている場合、その姿勢はスタッフ全体に影響を与え、結果としてサービスの質が低下する可能性も。施設を訪れる際には、スタッフの挨拶や現場の雰囲気などもチェックポイントです。スタッフが笑顔で施設長に接しているか、挨拶をしっかりとしているかなどの細かな点から、施設が提供するサービスの品質を判断することができます。

施設長は入居者様にどのような態度を取るか

入居者様に対して施設長がどのような態度を取っているかは、老人ホームのサービスの質を示します。施設長が信用に足る人であれば、入居者様は安心感を持ち、笑顔でコミュニケーションを楽しむでしょう。逆に、施設長の対応が不適切であると感じると、入居者様は不安や不満を感じることが増え、交流する姿はあまり見られない可能性もあります。

こんな施設長には注意!

施設長は、老人ホームの責任者です。そのため施設長の能力や対応が目に余る場合は、施設全体の質も問われることに。特に注意が必要な施設長の特徴について、4つ紹介します。

1知識や経験が不足している
施設長には、高齢者ケアの分野での豊富な実経験が求められます。これは、日々の運営、危機管理、スタッフの管理と教育などを効果的に行うために不可欠です。高齢者ケアの基本的な知識として、医療、心理学、栄養学など、高齢者の健康と福祉に関連する幅広い分野の知識も求められます。そのため、これらの知識、経験が不足しているにもかかわらず、理想を追求しすぎる姿勢が見られる場合は、現実にそぐわない施設運営がされている可能性もあり、注意が必要です。
2スタッフや入居者様との関係性が悪い
施設長が入居者様やスタッフとコミュニケーションが取れていない、または、施設長の態度の大きさが目立つなど、健全な関係性が築けていないと感じられる場合、入居しても良いサービスを受けられない可能性が高いです。特に、施設長からスタッフに対する思いやりのない言動は、業務のモチベーションにかかわり、結果としてその施設の質に大きく影響します。
3決断力の不足
問題が発生した際に、適切な判断や決断を下せない施設長は、スタッフと入居者様双方からの信頼を失う可能性が高いです。施設長は人間関係のトラブルや施設の運営に関する問題に対して、正しく対応することが求められます。会話をしていて自信がなさそうな印象を受けたり、スタッフから頼りにされていないと感じたりした場合は要注意です。
4施設長の入れ替わりが激しい
施設長の経歴が浅く、入れ替わりが激しい場合も注意が必要です。長く勤めていた施設長が辞め、新しい施設長が就任して間もない場合もありますが、短期間で施設長が何度も交代している場合は注意が必要。施設長は施設の方向性を決める立場であるため、何度も交代していると施設全体のサービスの質に大きく影響します。

まとめ

老人ホームの責任者である施設長は、施設全体を監督する立場です。そのため、施設長の行動や振る舞いは、老人ホーム全体に影響を与えます。老人ホームへの入居を検討する際は、事前に施設長に会うことがおすすめ。ただし、複数の老人ホームを所有しているような運営の規模が大きいところでは、異動によって施設長が別の方に代わることも。施設長の素質も含め、施設の費用や設備など様々な要素を考慮しつつ、総合的に判断して入居を決めると良いでしょう。

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