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父親の介護が始まる前に知っておくべき5つのポイント

父親が急に要介護状態になった場合、何をして良いか戸惑う人も多いのではないでしょうか。「どこまで体の介助をして良いのか」、「自分の生活はどうなるのか」など、いざ直面すると分からないことばかりですが、要介護となる前に備えをしておくことで、慌てずに対応が可能。「父親の介護が始まる前に知っておくべき5つのポイント」では、知識として深めたい5つのポイントについて解説します。

父親の介護が始まる前に確認しておくべきこと

日頃から父親とはコミュニケーションを取ること

父親を介護する日が来ても、即対応できるように、あらかじめ家族間でコミュニケーションを取りましょう。特に、介護者を誰にするか決めておくと、介護の際にトラブルが避けられます。ただし、介護者ばかりに負担が集中しないように気を付けることも大切です。

また、長年にわたり一家を支えてきた父親の介護は、想像より難しいもの。父親のなかには、介護されることを「情けなく恥ずかしい」と思う方もいます。また、娘が父親を介護する場合、身体への介助を拒否する方も多いのです。父親の心情を無視して介護を進めてしまうと、介護拒否へつながったり、望むような介護が提供できなかったりという事態になりかねません。そのため、父親の心情を最大限に尊重した上で、介護についてしっかりと話し合っておきましょう。

また、介護保険制度についても調べておくと、利用可能な介護サービスが分かるだけでなく、難しい介助を専門家に任せることで、介護者の負担を軽減できます。

①父親の日常生活について

父親の日常生活について、趣味、生い立ち、好みの料理は何かなどを、何気ないコミュニケーションのなかで情報を得ておくと、介護の場面で役立ちます。

その理由のひとつとして、ケアマネジャーが父親の背景を考慮しながら、ケアプランを立てるからです。

また、意思疎通が図れない状態になった場合においても、趣味と嗜好を事前に覚えておくことで、本人の希望に沿った介護を実現することができます。例えば、デイサービスを選ぶ場合、父親の趣味である民謡を取り入れている介護施設から探したり、食欲がない場合に「父親は魚が好きだった」、「リンゴジュースだけは具合が悪くても飲めていた」と思い出すことで、好みに合わせた食事を促したりすることができるのです。

②父親の交友関係について

父親の様子を見に来てくれる外部の方がいるのか、家族以外に話せる方がいるのかなど、交友関係を知っておくことも、サポート体制を強化するのに役立ちます。

父親の介護をする上で、サポートしてくれる方が多いと、「家族が近くにいないときでも支援が得られる」、「父親の話し相手になり、安心して過ごせる」などのメリットがあるのです。

③資産や収入状況について

父親の資産、収入がどれくらいあるのかを、父親が健康なうちに把握しておきましょう。介護生活が始まったら、医療費、介護サービス費、介護施設費などがすぐに必要になるケースが多いためです。

預貯金、加入している保険、有価証券などを確認

父親に預貯金の額、生命保険への加入の有無、不動産収入、株などの収入があるかを細かく聞いて、記録しましょう。また、金銭に関することは、本人以外では簡単に手続きができないため、本人にしか分からない金銭に関する問題は、あらかじめなくしておくのが無難です。

銀行口座の暗証番号も確認

父親の銀行口座の暗証番号をあらかじめ聞いておくことで、いざ高額な支払いが生じても預金を下ろすことが可能。銀行の暗証番号が分かれば、ATM等でいつでも引き出せるため、銀行で手続きをする手間も省けます。

④在宅介護か施設介護か

父親の介護が必要になった場合、「在宅介護」か「施設介護」かは悩ましい選択のひとつ。それぞれの特徴をあらかじめ知っておき、父親と家族の状況に合わせて選ぶのが良いでしょう。

在宅介護

在宅介護は、住み慣れた家で過ごせる安心感がある反面、介護者と家族に精神的及び肉体的な負担がかかるケースが存在。そのため、介護保険制度を利用して介護サービスを受ければ、家族だけで負担を抱えず、外部の専門家の力を借りながら、在宅介護を継続できます。

在宅介護の特徴
特徴
  • 住み慣れた家で介護が受けられる
  • 生活に制限がない
  • 個人のニーズに合わせた介護内容が選べる
介護する人
  • 家族
  • 介護士
受けられる
介護サービス
  • 訪問介護
  • 訪問看護
  • 訪問入浴介護
  • 居宅療養管理指導
かかる
費用
介護リフォーム費、介護ベッドのレンタル費など

施設介護

介護のすべてを専門家の手にゆだねる、施設介護を検討する場合は、施設の種類と特徴、サービス内容に関して、よく調べておく必要があります。施設の種類は、「老人保健施設」などの公的な施設から、民間事業者が運営する「有料老人ホーム」まで多数。金額も幅が広いため、父親の希望、経済状況、家族がどこまで介護に参加できるかなどを考慮して決めます。

施設介護の特徴
特徴
  • 介護施設で共同生活
  • 施設内で友人ができる
  • 介護施設、老人ホームなど自分に合った施設が選べる
介護する人
  • 介護士
  • 看護師
受けられる
介護サービス
施設の提供範囲による
かかる
費用
施設利用費

⑤医療方針について

介護はある日突然やってくるため、医療方針についても、父親の意思を事前に確認しておくのが大事です。父親と家族が一致した意見を持っておくと、急な判断を迫られたときでも問題が起きません。

また、近くに「かかりつけ医」を持つことも、医療方針を決める助けになります。かかりつけ医には、日ごろの健康相談から、緊急時における医療まで助言を求めることが可能。父親の健康状態に応じた、適切な医療の方針を提案してくれるのです。

家族間で介護方針について決定しておく

家族間での話し合いが大切

父親の介護が必要になる前に、本人を含め家族間で介護方針について決定しておくのが良いでしょう。父親の意見だけでなく、家族の意見も取り入れ、皆が納得した上で介護方針を定めましょう。事前に決定すべき介護方針は、以下の通りです。

  • 在宅介護にするか施設介護にするか
  • 施設介護にする判断基準は何か
  • 複数兄弟がいる場合は、介護費用をどれくらい分担するか

施設介護する場合の判断材料として、「排せつがひとりでできなくなった」、「要介護認定で要介護3以上なら施設へ入居」など、ある程度基準を決めておくと良いでしょう。

介護生活は長期間になることが多いため、家族間の協力は欠かせません。介護する方が疲弊し過ぎないよう、皆で協力し合う準備を整えておくことで、快適な介護生活が迎えられます。

まとめ

一家の大黒柱である父親の介護は、家族にとって特別なことです。要介護となる前に、父親と深くコミュニケーションを取り、5つのポイントを押さえておくことで、父親本人の希望に沿った最適な介護が実現します。快適な介護生活を送るためにも、父親の心情を尊重しつつ、家族にとって最もやりやすい方法を見つけましょう。

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