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地域密着型サービスとは?目的や種類を一覧表付きで分かりやすく解説

地域密着型サービスとは、介護が必要な方でも住み慣れた地域で生活が継続できるように、支援を行う介護保険サービスです。自治体が主体となって運営しているため、地域の特性と実情を考慮したサービスを提供できます。地域密着型サービスの内容とメリット、他の介護サービスとの違いについてみていきましょう。

地域密着型サービスとは

少人数サービス

地域密着型サービスとは、認知症や急な病気などで介護が必要になっても、住み慣れた地域で生活し続けられるようにサポートするサービスです。地域ごとの特色に合わせたサービスを提供するため、市区町村の自治体が中心となって運営。地域ごとに、提供するサービスの事業所や人員を調整して、住み慣れた地域で生活できるようにサポートします。

「夜間の介護や看護対応」、「定期的な巡回と見守り」、「少人数でのサービス提供」、「短時間で頻回の訪問」などが例で、利用者の細かいニーズに応えられるような工夫がされているのです。

地域密着型サービスの目的

地域密着型サービスの目的は、要介護度が高まっても住み慣れた地域で生活できるようにサポートすること。主に、在宅での生活を続けられるような支援が提供されています。

地域密着型サービスが必要とされるようになったのは、高齢化の進行によって中等度から重度の要介護者が増加し、介護施設などの受け皿が足らなくなったため。要介護度が高くても自宅で暮らせるよう、夜間の介護など細やかなサポートが必要になったのです。

そこで、地域密着型サービスでは、既存の介護サービスで手が回らない部分を補うべく、「通い・訪問・泊まり」を組み合わせた包括的な支援を提供。それぞれ異なる事業所から提供されていたサービスを一体化させることで、在宅介護で生じる様々な問題に対応できるのです。

地域密着型サービスの種類・サービス内容

地域密着型サービスには様々な種類があり、「通所サービス」、「訪問サービス」、「複合サービス」、「施設サービス」の4種類に分類されます。

地域密着型サービスの種類
種類 サービス内容
通所サービス
  • 地域密着型通所介護
  • 療養通所介護
  • 認知症対応型通所介護
訪問サービス
  • 夜間対応型訪問介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
複合サービス
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
施設サービス
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護

通所介護サービス

地域密着型の通所介護サービスは、少人数で日常生活支援が受けられます。主に、「地域密着型通所介護」、「療養通所介護」、「認知症対応型通所介護」の3種類です。

地域密着型通所介護

地域密着型通所介護は、日帰りで施設に通いながら、様々な介助や生活機能訓練を受けるサービスです。食事・入浴介助のような日常生活支援や、レクリエーションなどのサービスを受けられます。対象は、事業所と同じ地域に住んでいる、要介護1以上の人。利用者は18人以下の少人数なので、通所介護よりも手厚いケアが受けられます。

また、看護師が常駐しているため、必要に応じて医学的な処置も可能。規模が小さい分、家庭的な雰囲気のなかでサービスを受けられるので、常に介助が必要な人におすすめのサービスです。

地域密着型通所介護の概要
サービス内容
  • レクリエーション
  • 体操などの運動
  • 入浴・食事介助
対象者
  • 要介護1~5
  • 住民票が事業所と同じ地域にある人
おすすめの人
  • 少人数のなかで生活支援を受けたい人
  • 常に介助や見守りが必要な人

療養通所介護

療養通所介護は、レクリエーションや日常生活支援に加えて、看護師による医学的な処置が受けられるサービス。通所介護のサービスに加えて、医師管理のもとで看護師による医療ケアが受けられます。要介護1以上の方であれば利用可能ですが、主に難病やがんなど、要介護度の高い方を対象にしている事業所が多いです。

18人以下の利用者に対して複数人の看護師がついているため、常時医療ケアを受けられます。提携している病院が隣接もしくは近くにあることが多いため、医学的な処置が可能です。例えば、脳卒中の後遺症や難病による障害など、介護士では対応できない医療ケアも、看護師であれば対応可能。利用者数に対して、十分な数の看護師が対応しているため、通常の通所介護では受け入れられない方でもサービスが利用できるのです。

療養通所介護の概要
サービス内容
  • レクリエーション
  • 体操などの運動
  • 入浴・食事介助
  • 医療ケア
対象者
  • 要介護1~5
  • 特にがん末期や重度の要介護者
おすすめの人
  • 医学的なケアが必要な人
  • 難病や重度の障害がある人

認知症対応型通所介護

認知症対応型通所介護は、認知症の診断を受けた方に対して、日帰りで食事介助や入浴介助などを提供するサービスです。認知症対応型通所介護は、通常の通所介護と異なり、認知症専門の通所介護で、利用者が12人以下の少人数体制となっています。一人ひとりに介護スタッフの目が行き届くため、けがやトラブル発生を防止しやすく、丁寧な対応ができることで、利用者が精神的に落ち着きやすいのが特長。利用者本人だけでなく、介護を行う家族の負担も軽減できるサービスです。

認知症対応通所介護の概要
サービス内容
  • レクリエーション
  • 体操などの運動
  • 入浴・食事介助
  • 認知症に特化した支援
対象者
  • 要介護1~5
  • 認知症と診断されている人
おすすめの人 認知症で他のサービス利用が難しい人

訪問サービス

地域密着型の訪問サービスでは、夜間の訪問や頻繁な訪問など、細やかに自宅へ通ってもらうことができます。

夜間対応型訪問看護

夜間対応型訪問介護は、認知症による徘徊や寝たきりで、夜間に特別な介護が必要になる場合に利用されるサービスです。夜間の介助は介護者にとって大きな負担になるため、要介護度の重い人がいる家庭にとって大きな支えになります。深夜のトイレ介助や体位交換などの介助を、介護士が訪問して実施。18時から翌朝8時までの時間に対応可能で、認知症や寝たきりなどで夜間の介護が必要な方が対象になります。

夜間対応型訪問介護で提供されるサービスは、主に「定期巡回」、「随時訪問」、「オペレーションサービス」の3つです。定期巡回には、おむつ交換やトイレの介助が該当します。あらかじめ定められた曜日と時間に介護士が自宅を訪問し、介助を実施。家族の睡眠不足や介護負担の軽減が可能です。

臨時対応サービスは、利用者の急な体調不良や転倒などのトラブル時に、介護士が訪問して対応します。医療的な処置が必要になった場合は、介護士が訪問看護ステーションや主治医に連絡。家族や介護者にとって、緊急時に連絡できる場所があるのは安心につながります。

オペレーションサービスは、病院や施設が開いていない時間に不安なことを相談できるサービスです。心配だけど臨時の訪問を依頼するほどの内容ではないときに、看護師や介護士に電話で相談できます。

夜間対応型訪問介護では、夜間に必要な介護を定期的に行ってもらえるため、介護者の負担軽減につながります。また、夜間など病院の空いていない時間に、対応してもらえるのも安心です。

夜間対応型訪問看護の概要
サービス内容
  • 夜間の介護(トイレ介助や体位交換)
  • 緊急時の対応
対象者
  • 要介護1~5
おすすめの人
  • 寝たきりや認知症で夜間の介護が必要な人
  • 緊急時に連絡できる場所が欲しい人

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、日常的な生活支援に加えて、緊急時にも介護的・看護的サポートを受けられるサービスです。1日に複数回のサービス利用を必要としている人が対象となっています。定期巡回・随時対応型訪問介護看護で提供されるサービスは、以下の4種類です。

  • 定期巡回サービス
  • 訪問看護サービス
  • 随時対応サービス
  • 随時訪問サービス

定期巡回や訪問看護では、利用者の自宅にヘルパーや看護師が訪問して、介護・医療サービスを提供します。通常の訪問サービスと異なり、食事介助や排泄介助など、1日に複数回の介助が必要な場合でも対応可能。そのため、要介護度が高く生活介助が必要ながら、一人暮らしで介護者のいない方でも利用できるのです。随時対応・随時訪問サービスを行っているため、夜間・緊急時に電話で相談したり、必要に応じて介護士や看護師が訪問してくれたりします。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の概要
サービス内容
  • 食事介助
  • 排泄介助
  • 医療ケア
対象者
  • 要介護1~5
  • 住民票が事業所と同じ地域にある人
おすすめの人
  • 寝たきりや認知症で夜間の介護が必要な人
  • 緊急時に連絡できる場所が欲しい人

複合サービス

地域密着型の複合型サービスは、訪問・通い・泊まりのサービスを一体的に提供します。種類は「小規模多機能型居宅介護」、「サテライト型小規模多機能型居宅介護」、「看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)」の3つです。

小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護は、ひとつの事業所が訪問・通所・泊まりのすべてを提供し、幅広く生活支援を行うものです。それぞれのサービスを各事業所で契約するときと比べて、利用者や家族の都合に合わせて柔軟に対応できます。

例えば、急な用事で通所介護を受ける日と訪問介護を受ける日を変更したい場合、各事業所でサービス契約をしている場合は、どちらにも連絡したり、片方を休みにしたりしなければいけません。小規模多機能型居宅介護は連絡の手間が少なく、スムーズにサービスを受けることができます。

小規模多機能型居宅介護の概要
サービス内容
  • 通所介護(食事・入浴介助)
  • 訪問介護
  • 短期間の宿泊
対象者
  • 要介護1以上
  • 事業所と同じ市区町村に住んでいる人
おすすめの人
  • ひとりで生活するのが難しい人
  • 定期的な医療ケアが必要な人

サテライト型小規模多機能型居宅介護

サテライト型小規模多機能型居宅介護とは、医療機関や介護施設などを本体拠点として存在する複合サービスのこと。母体となる医療機関や施設よりも小規模で運営されています。拠点となる事業所が運営しているため、サービス内容は同じですが、少人数に絞って提供しているため、より質の高いサービスが受けられるのです。

看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)

看護小規模多機能型居宅介護は、在宅介護生活を送る上で必要な生活支援と医療処置をひとつの事業所から受けられるサービスです。通い・訪問介護・泊まりのサービスに加えて、看護師による医療ケアを受けられるのが特徴。事業所に看護師が常駐しているため、日常的な医学的処置から、緊急性の高いケアまで対応が可能です。

小規模多機能型居宅介護が提供している包括的な介護サービスに加えて、高度な医療ケアが必要な人が対象となります。看護小規模多機能型居宅介護で提供されるサービスは、以下の4種類です。

  • 訪問(ホームヘルパー)
  • 通い(デイサービス)
  • 泊まり(ショートステイ)
  • 訪問看護

例えば、退院して自宅に戻ったばかりのときは、病気やけがの影響で入院時と同等の頻度で医療ケアが求められる場合があります。他の介護サービスでは対応しきれませんが、訪問看護が含まれている看護小規模多機能型居宅介護であれば対応可能。特に、手術後などは日常生活介護に加えて、傷口の処置や服薬管理など、看護師による対応が必要になるケースが多いです。包括的な介護サービスに加え、看護師によるケアが受けられるのは、看護小規模多機能型居宅介護ならではのメリットと言えます。

看護小規模多機能型居宅介護の概要
サービス内容
  • 通所介護(食事・入浴介助)
  • 訪問介護
  • 訪問看護
  • 短期間の宿泊
  • 医療ケア
対象者
  • 要介護1~5
  • 事業所と同じ市区町村に住んでいる人
おすすめの人
  • ひとりで生活するのが難しい人
  • 定期的な医療ケアが必要な人

施設サービス

地域密着型の施設サービスには、「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」、「地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護」、「地域密着型特定施設入居者生活介護」があります。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

認知症対応型共同生活介護は、認知症のある要介護者が、食事や排泄の介助を受けながら共同生活を送るサービスです。要介護1以上で認知症の診断を受けた人を対象としています。利用者が持っている能力に応じて介護を提供し、自立した日常生活を送ることを目的としたサービス。9人までの少人数制で、他の施設よりも自宅の生活に近く、認知症の専門知識を持ったスタッフがいるのが特長です。

認知症対応型共同生活介護では、最大9人までのグループで共同生活を行います。スタッフの目が行き届くため、生活援助が必要な場面で、適切な介護を受けることが可能です。

また、少人数で、利用者やスタッフの顔ぶれが変わらないのも特徴。環境変化に適応しにくい認知症の人にとって、ストレスが少ない生活を送れます。

認知症対応型共同生活介護で提供される介護は限られており、食事の準備や洗濯などの家事は、利用者が中心に実施。生活介護がすべて提供される他の施設と異なり、自宅に近い生活が可能です。施設への入所に抵抗があっても、比較的普通の生活を送れるグループホームには抵抗が少ない人も多くいます。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の概要
サービス内容
  • 共同生活の場を提供
  • 日常生活介助(食事・排泄など)
  • 家事の補助
対象者
  • 要介護1~5
  • 認知症の診断を受けている人
  • 自立した生活ができる人
  • 事業所と同じ市区町村に住んでいる人
おすすめの人 認知症のため、ひとりで生活するのが心配な人

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、特別養護老人ホームの運営形態のひとつです。要介護3以上で事業所と同じ市区町村に住民票がある人が対象。サービス内容は特別養護老人ホームとほとんど同じで、食事や入浴、排泄などの介護に加えて、機能訓練や健康管理など、生活機能を維持するためのサービスが提供されます。

一般的な特別養護老人ホームとの最も大きな違いは定員数で、地域密着型は29名以下です。また、利用可能な地域を限定しているのも特徴で、入居者の居住地や定員を制限しているため、地域や家族との結び付きを重視したサービスが受けられます。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は他の特別養護老人ホームと同様に、入所料金が安いのがメリット。料金の安さから人気が高く、入居待ちになることもあります。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の概要
サービス内容
  • 施設への入所
  • 食事介助
  • 排泄介助
  • 医療ケア
対象者
  • 要介護3以上
  • 住民票が事業所と同じ地域にある人
おすすめの人
  • 寝たきりや認知症で夜間の介護が必要な人
  • 施設入所にかかる費用を抑えたい人

地域密着型特定施設入居者生活介護

地域密着型特定施設入居者生活介護は、小規模の老人ホームで日常生活に必要な介護を受けられるサービスです。要介護1以上の人で、事業所と同じ市区町村に住んでいる人が対象になります。住み慣れた地域で自立した生活を送るための支援が目的です。

特定施設は、厚生労働省が規定する基準を満たす施設で、入居者に対して入浴介助や排泄介助などの介護サービスを提供します。特定施設に含まれる可能性があるのは、以下の4種類です。

  • 有料老人ホーム
  • 軽費老人ホーム
  • 養護老人ホーム
  • 一部のサービス付き高齢者住宅

特定施設は、行政のチェックを通った質の高いサービスが特徴。利用者とその家族からの評価が高く、信頼を得られている証拠でもあります。

地域密着型特定施設入居者生活介護の場合、地域が限定されており、小規模で運営されているのがポイント。地域や利用者同士の結び付きを重視したケアを受けられ、なかには介護保険で定められていないサービスを受けられることもあります。

地域密着型特定施設入居者生活介護の概要
サービス内容
  • 施設への入所
  • 食事介助
  • 排泄介助
  • 医療ケア
対象者
  • 要介護1~5
  • 住民票が事業所と同じ地域にある人
おすすめの人
  • 24時間体制で介護サービスを受けたい人
  • 質を担保されたサービスを受けたい人

地域密着型サービスと居宅介護サービスの違い

地域密着型サービスは、一般的な訪問介護のような居宅介護サービスと比べて、対象者の範囲と利用する事業所、サービス内容が異なります。地域密着型サービスのサービス対象者は、事業所と同じ市区町村に住んでいる方のみです。そのため、地域によらず対応可能な居宅介護サービスよりも、利用者が限定されます。一方、介護度による制限は居宅介護サービスよりも少なく、要支援の方や介護度の低い方にもサポートを実施。地域は限定されますが、幅広い条件の方が対象です。

居宅介護サービスは、訪問介護や通所リハビリテーションなど、サービスごとに異なる事業所を利用できます。一方、地域密着型サービスは、ひとつの事業所で、通いや訪問などすべてのサービスが完結。ケアプランを計画したり、相談に乗ったりしてくれるケアマネジャーもひとつの事業所に限定されるため、居宅介護サービスから乗り換える場合は注意しましょう。

また、地域密着型サービスは夜間や定期巡回など、細かいニーズに対応していますが、居宅介護サービスには、このような取り組みはありません。住み慣れた地域で生活できるように、地域ごとに特化したサービスが提供されています。

地域密着型サービスのメリット

馴染みのスタッフによる介護

地域密着型サービスには、他のサービスにはない様々なメリットがあります。

同じスタッフが担当してくれる

地域密着型サービスは、ひとつの事業所が通い・訪問・泊まりのサービスを提供しています。そのため、介護や医療ケアを行ってくれるスタッフは、同じ施設の人です。居宅介護の場合は、サービスごとに事業所が異なるので、毎回違う人が担当することで、対応に疲れてしまうケースもあります。すべてのサービスを同じ事業所の人に担当してもらえるのは、地域密着型サービスならではのメリットです。

少人数なので目が届きやすい

地域密着型サービスで提供している生活支援は、20人未満を対象とした小規模のサービスが多いです。ひとりの利用者に対して、十分な人数の介護士や看護師が対応できるため、手厚いサービスが受けられます。また、小規模のサービスであれば、要介護度が高くて常に見守りや介助が必要な人でも利用可能。看護師が在籍している施設なら、特別な医療ケアが必要でも通所サービスが利用できます。

地域に根差したサービス

地域密着型サービスでは、市区町村の特徴ごとに必要なサービスを提供しています。地域の高齢化率や人口、気候などに合わせた介護サービスで、在宅生活の支援が実施可能です。例えば、夏が極端に暑いところは、他の地域と比較して熱中症の危険が高まります。その際に、定期巡回や飲水介助のサービスを提供することで、高齢者が安心して暮らせる仕組み作りを行っているのです。

柔軟にプラン変更できる

地域密着型サービスは、同一事業所が生活支援を提供しているため、プラン変更が柔軟に行えます。体調の悪いときや介護者の都合が合わないときだけの調整も可能。在宅介護を行う際も、夜間など必要なときだけ、介護・看護サービスを依頼することもできます。

地域密着型サービスの利用条件

利用の審査を受ける高齢者

地域密着型サービスの対象になる人は、原則以下の条件に当てはまる人です。

  • 原則65歳以上
  • 要介護認定を受けている
  • 事業者と同じ市区町村に住民票がある

他のサービスとの違いは、住んでいる市区町村によって対象が限定されていること。市区町村ごとの介護政策によって、地域の特色に応じたサービスを提供しているため、対象者は限定されます。また、上記の条件に当てはまっても、すべてのサービスが利用できるわけではありません。対象者の介護度別によって利用できるサービスは異なります。状態ごとに利用可能なサービスは、以下の通りです。

介護度別に利用可能なサービス
利用可能なサービス
要介護1~5 地域密着型サービス全般
要支援1・2
  • 地域密着型介護予防サービス
  • 介護予防認知症対応型通所介護
  • 介護予防小規模多機能型居宅介護
要支援2のみ
  • 地域密着型介護予防サービス
  • 介護予防認知症対応型共同生活介護のみ

要介護1以上の判定を受けている人は、基本的にすべてのサービスを利用可能。一方、要支援の判定を受けている人は、介護予防を目的としたサービスに限定されます。自分がどのサービスを利用できるか分からないときは、担当のケアマネジャーや役所の窓口に問い合わせてみましょう。介護度や心身状態に合わせたサービスを提案してもらえます。

地域密着型サービスの費用

介護費用を確認する男性

地域密着型サービスにかかる費用は、1ヵ月あたり1万5,000~6万円程度です。必要な費用は、利用するサービスによって異なります。

在宅介護にかかる月額費用は約3万円で、支援内容の充実している地域密着型サービスは、費用が高くなる傾向に。施設介護は10万円以上必要になるため、入所するよりは安く利用できます。要介護3の方を例にすると、1ヵ月あたりの費用負担は以下の通りです。

要介護3の方が負担する地域密着型サービスの費用例
サービス名 目安料金(1ヵ月)
通所サービス 地域密着型通所介護 約8,000円
(週2回利用 1,028円/1回)
療養通所介護 約12,000円
(週2回利用 1,519円/1回)
認知症対応型通所介護 9,000円
(週2回利用 1,100円/1回)
訪問サービス 夜間対応型訪問介護 約3,000円
定期巡回・
随時対応型訪問介護看護
約2万円
複合サービス 小規模多機能型居宅介護 約2万3,000円
看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス) 約2万4,000円
施設サービス 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) 約20万円
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 約5万円
地域密着型特定施設入居者生活介護 約10万円

地域や利用するサービスによって金額は様々です。通所や泊まりなどが含まれる包括的なケアになるほど、費用は高くなります。また、施設や通所サービスの場合は、上記の料金に加えて日常生活費(食費、宿泊費、おむつ代など)が自己負担で必要です。食事やレクリエーションに力を入れている事業所は、他のところよりも負担金額が高くなります。

地域密着型サービスを利用する流れ

介護の手続きをする様子

地域密着型サービスを利用するには、様々な手続きが必要になります。具体的な流れは、以下の通りです。

  • ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談する
  • 利用したいサービスを探す
  • 契約・ケアプランを作成する
  • サービス利用の開始

手続きを始めてから利用開始まで、約1ヵ月かかります。それぞれの手順について詳しくみていきましょう。

ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談する

まずは、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターのスタッフに、地域密着型サービスの利用について相談します。地域密着型サービスを利用するには、自分の住んでいる場所と同じ地域に住所がある事業所への連絡が必要です。相談する際は、困っていることや、現在の支援内容では足りていない点を伝えるのがポイント。要望や利用者の状況に応じて適切なプランを提案してもらえます。

利用したいサービスを探す

担当者に相談したあとは、サービスを探していく段階に移行。ケアマネジャーや地域包括支援センターのスタッフが提案してくれたプランをもとに、利用したいサービスを探します。地域によっては提供していないサービスがあるため、あらかじめ市区町村のホームページで確認しておくのが重要です。

地域密着型サービスは、一部の介護保険サービスと併用できないこともあります。既存のサービスとのかね合いも含めて、ケアマネジャーと相談しましょう。サービスの種類によっては、担当ケアマネジャーを変更しなければいけない可能性がある点には、注意が必要です。

契約・ケアプランを作成する

利用するサービスが決まったら、ケアマネジャーと一緒にケアプランを作成。作成してもらった内容を確認し、問題がなければ同意して、サービス提供事業者との契約に進みます。

サービスの利用開始

事業所と契約が完了すると、サービスの利用開始です。地域密着型サービスは、同一の事業所でサービスを提供しているため、支援内容を柔軟に変更できるのが特徴。不満な点や希望を積極的に伝えて、利用者の状態に合ったサービスに調整していきます。

まとめ

地域密着型サービスは、加齢や病気によって介護が必要な状態になっても、住み慣れた場所で生活し続けるための支援制度です。地域特有の課題を抽出し、適切なサービスを自治体単位で提供するため、利用者の細かいニーズに対応できます。地域密着型サービスは10種類あり、サービスごとに特徴は様々。支援内容を理解して、利用者の状況に適したサービスを選ぶのが重要です。

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