文字サイズ
標準
拡大

history閲覧履歴

メニュー

在宅介護のヘルパー(訪問介護員)の料金|毎日利用したら料金はいくらかかる?

在宅介護で利用できるヘルパー費用は、1回あたり約400円前後です。ホームヘルプ(訪問介護)の利用にかかる費用は、提供されるサービス内容と時間、自己負担割合によって変動します。ホームヘルプは、在宅介護をする方の多くが利用するサービスですが、費用の仕組みについてはあまり理解されていないのが現状です。具体的な料金が分からず、利用をためらってしまうケースは少なくありません。ヘルパー費用について理解しておくと、在宅介護が必要になったとき、スムーズに準備を進められます。

ホームヘルプとは?

せん妄のリスクが高い高齢者

ホームヘルプとは、利用者の自宅に介護士が訪問して、食事や排泄の介助など、日常生活に必要な支援を提供するサービスです。着替えや食事などの動作介助に加え、部屋の掃除や洗濯など、生活する上で必要な家事のサポートもしてくれます。

ホームヘルプの内容は、主に以下の3つです。

ホームヘルプの内容
種類 内容
身体
介護
食事介助・入浴介助・排泄介助・更衣介助・歩行介助など
生活
援助
食事の準備・掃除・洗濯・買い物代行・薬の受け取りなど
通院等乗降
介助
乗車・移送・降車の介助、通院先での移動介助など

ホームヘルプ(訪問介護)の目的は、介護が必要になった方が自宅で安心して生活し続けられるようにサポートすることです。在宅介護では、利用者本人や家族で対応しきれない介助・支援は少なくありません。ホームヘルプは早朝や夜間などもサービスを提供し、在宅での生活を支えています。

ホームヘルプの費用

ホームヘルプにかかる費用は、自己負担が1割の場合、1時間あたり400円前後です。利用する方によって異なり、以下の要因で変動します。

  • 利用時間
  • サービス内容
  • 自己負担割合

以下は、項目ごとにかかる料金の目安です。利用料金は、各サービスの単位に、単価を乗じて算出。単価は居住地域の地域区分によって異なるため、表では単価を10円としています。実際の料金は、サービスを提供する事業所等に確認しましょう。

ホームヘルプの料金表
単位 利用料金 1割負担 2割負担 3割負担
身体介護 20分未満 167 1,670円 167円 334円 501円
20分以上
30分未満
250 2,500円 250円 500円 750円
30分以上
1時間未満
396 3,960円 396円 792円 1,188円
1時間以上
1時間半
未満
579 5,790円 579円 1,158円 1,737円
生活援助 20分以上
45分未満
183 1,830円 183円 366円 549円
45分以上 255 2,550円 255円 510円 765円
通院等
乗降介助
1回あたり 99 990円 99円 198円 297円

例えば、自己負担1割の方が、食事や着替えなど、40分の介助を週に3回利用した場合、1ヵ月でかかる費用は以下の通りです。

40分の介助を週に3回利用した場合

396円×3回×4週間=4,752円/月

実際は基本料金に加えて、次項で説明する様々な「加算」が付くため、数百円から数千円高くなります。要介護度の高い方は、頻回にホームヘルプを利用することで、費用が高額になってしまうケースは少なくありません。利用料金は、サービス内容や時間によって変動するため、無理のない範囲で調整できるように、ケアマネジャーに相談することが重要です。

追加で費用がかかる「加算」

ホームヘルプは基本の利用料金に加えて、様々な加算料金が生じます。加算が生じるのは、早朝や夜間に介護を行ったときや、2人がかりで介護をした場合など。1回あたり数百円程度の加算が生じるケースが多いです。ホームヘルプで生じる主な加算は、以下のような種類があります。

ホームヘルプの加算
設定区分 要件 負担額
(1割の場合)
初回加算 初めてホームヘルプを利用する際 200単位/月
夜間・早朝加算 夜間(18~22時まで)または早朝(6~8時まで)にホームヘルプを利用する際 基本単位数+25%/回
深夜の場合の加算 深夜(22~翌6時まで)にホームヘルプを利用する際 基本単位数+50%/回
緊急時訪問加算 緊急でホームヘルプを利用する際 200単位/月
2人のホームヘルパー等による場合 利用者の身体的理由で、2人のホームヘルパー(訪問介護員)がサービスの提供を行った場合 基本単位数+2倍
/回
生活機能向上
連携加算
訪問リハビリテーションの理学療法士等とサービス提供責任者が共同して訪問介護計画を作成した場合 100単位もしくは200単位/月

利用者に不可欠なサポートをした際や、生活機能の向上につながる支援をした際に算定されるのが、ホームヘルプにおける加算の特徴です。

また、山間部や離島・豪雪地帯など特定の地域に訪問した際に算定される加算もあります。他にも手厚いサービスを提供している場合など、事業所の形態によって加算が生じることも。サービス提供する事業所や支援内容によって加算費用は異なるため、ケアマネジャーなどに確認してみましょう。

ホームヘルプを毎日利用したら月額いくら?

家計を確認する高齢者

ホームヘルプを毎日利用した際の月額料金は、利用するサービス内容や時間によって異なります。毎日1回利用した際にかかる料金の目安は、月額で1万円程度です。

例えば、同居中の子供が介護を行い、日中の食事介助と服薬介助のみホームヘルプを利用する場合、月額費用は以下のようになります。

身体介護30分以上1時間未満(396円)を週5回の場合

396円×5日×4週間=7,920円(自己負担1割の場合)

また、老夫婦などで家族の介護力がなく、1日1回の身体介護と週1回の生活援助が必要になる場合の月額費用は、以下の通りです。

1日1回の身体介護と週1回の生活援助の場合

身体介護30分以上1時間未満(396円)×月31日=1万2,276円
生活援助20分以上45分未満(183円)×4週間=732円
12,276円+732円=1万3,008円(自己負担1割の場合)

必要な支援が多いほど、ホームヘルプにかかる費用は高くなります。ホームヘルプは利用頻度が多いと、他の介護サービスと組み合わさり、利用限度額を超えてしまうケースが少なくありません。利用限度額を超えると、超過分を全額負担する必要があるため要注意です。ケアマネジャーと相談して、経済的に無理のない支援内容にしてもらいましょう。

ホームヘルプの費用負担を減らす制度

ホームヘルプの費用負担を減らすには、公的な制度を利用するのがおすすめです。ここからは、費用負担の軽減に活用できる制度を解説します。

高額介護サービス費制度

高額介護サービス費は、月々の利用者負担額の合計が、所定の上限額を超えた場合、超えた分を払い戻してもらえる制度です。上限額は収入額によって、以下のように分けられています。

高額介護サービス費制度の概要
設定区分 対象者 負担上限額
第1段階 生活保護受給者など 1万5,000円(個人)
第2段階 市区町村民税非課税世帯で、公的年金等収入金額+その他の合計所得金額の合計が80万円以下の方 2万4,600円(世帯)
1万5,000円(個人)
第3段階 市区町村民税非課税世帯で、第1段階及び第2段階に該当しない方 2万4,600円(世帯)
第4段階

①市区町村民税課税世帯で、課税所得380万円(年収約770万円)未満

②市区町村民税課税世帯で、課税所得380万円(年収約770万円)以上690万円(年収約1,160万円)未満

③市区町村民税課税世帯で、課税所得690万円(年収約1,160万円)以上

①4万4,400円(世帯)
②9万3,000円(世帯)
③14万100円(世帯)

高額介護サービス費制度を利用するには、市区町村への申請が必要です。

高額医療・高額介護合算制度

高額医療・高額介護合算制度は、同一世帯で支払った介護保険サービス費と医療費の自己負担額の合計が基準を超えた場合、超過分が戻ってくる制度です。決められた負担上限額(年額)を500円以上超えた場合、超えた分が支給されます。所得別の負担割合は、以下の通りです。

高額医療・高額介護合算制度の概要
75歳以上 70~74歳 70歳未満
公的介護保険

後期高齢者
医療制度
介護保険+被用者保険
または国民健康保険
年収約1,160万円 212万円
年収約770~約1,160万円 141万円
年収約370~約770万円 67万円
~年収約370万円 56万円 60万円
市町村民税世帯非課税等 31万円 34万円
市町村民税世帯非課税かつ年金収入80万円以下等 本人のみ 19万円
介護利用者が
複数
31万円

合算期間は8月1日から翌年の7月31日で、制度を利用するには自治体の国民健康保険窓口での申請が必要です。

ホームヘルプを利用している方は、急な病気や怪我を理由に入院や治療をした場合に制度の対象になるケースが多く見られます。費用負担を抑えられる制度として、覚えておくと良いでしょう。

利用者負担軽減制度

利用者負担軽減制度は、低所得で生計が困難な方に対して、利用負担額を減額する制度です。ホームヘルプなどの介護サービスを利用した際、利用者負担の4分の1が減額されます。制度の対象となるのは、以下の要件を満たす方のうち、生計が困難と市区町村から認められた方です。

  • 年間収入が単身世帯で150万円、世帯員が1人増えるごとに50万円を加算した額以下
  • 預貯金等の額が単身世帯で350万円、世帯員が1人増えるごとに100万円を加算した額以下
  • 日常生活に供する資産以外に活用できる資産がない
  • 負担能力のある親族等に扶養されていない
  • 介護保険料を滞納していない

住んでいる自治体ごとに手続き方法が異なるため、利用希望の方は役所の窓口で確認しましょう。

まとめ

在宅介護で利用できるヘルパー費用は、1回あたり約400円前後です。ホームヘルプの利用にかかる費用は、サービス内容や時間など、様々な要因によって変動します。基本料金以外に、介助内容や事業所の形態によっては加算が発生。要介護度が高く、頻回にホームヘルプを利用する際は、費用負担を軽減できる制度を活用することが重要になります。サービス利用にかかる費用を理解し、スムーズに利用できるように準備しましょう。

ページトップへ
ページ
トップへ