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医療費を節約するためにできること|10のポイントを解説

高齢になると医療費がかかり、家計の負担になる傾向があります。そのため、「医療費をなるべく節約する方法があれば知りたい」と考える方も多いのではないでしょうか。「医療費を節約するためにできること|10のポイントを解説」では、医療費を節約する10のポイントに関して詳しく解説。ポイントを正しく把握して行動することで、医療費の負担を減らしていくことができるようになるでしょう。

医療費の節約は可能か

医療費を節約する10のポイント

結論から言うと、医療費は受診方法を変えることでも、節約が可能です。また、早めに手続きしておくことで、医療費の節約につながる制度もあるため、事前に把握しておきましょう。

1オンライン診療を利用する

2020年(令和2年)に流行が始まった新型コロナウイルス感染症の拡大によって、医療においてもインターネットを介した「オンライン診療」が浸透。新型コロナウイルス感染症の流行以前は、オンライン診療に対し厳しいルールが課せられていました。

今では、初診から「かかりつけ医」が診察するのであれば健康保険の適用になるなど、ルールが緩和されています。2022年(令和4年)に厚生労働省が公表した「令和4年度診療報酬改定の概要」によると、対面診療では診療報酬の点数が288点、オンライン診療では251点に改定されました。

つまり、直接病院で受診するよりオンラインで受診した方が、医療費を抑えることができるのです。また、服薬指導においても初診、再診いずれもオンライン対応が可能。オンラインの服薬指導では、薬剤師による処方薬の説明を画面越しに受けたのち、自宅まで薬を配送してもらえます。なお、オンラインの服薬指導における診療報酬請の点数は、対面で受ける服薬指導と同等。

ただし、処方された薬を宅配により自宅で受け取る場合は、送料が発生することで、医療費の節約にならないケースがあるため、注意が必要です。さらに、医療機関での受診をオンラインで行うと、交通費も発生しません。ですが、オンラインで得られる情報は限られるため、医師の判断次第では、対面診療でないと診られないケースもあります。このように、オンライン診療はリスクを理解した上で適切に利用すれば、医療費の節約につながるのです。

2入院時に公的制度を活用する

入院時に医療費を軽減できる公的制度として「高額療養費制度」と「限度額適用認定」があります。高額療養費制度とは、1ヵ月の医療費が一定の額を超えると負担額が抑えられる制度で、入院時に加入している公的医療保険に申請すれば利用が可能。高額療養費制度は、還付型のため、一度自分で医療費を支払う必要がありますが、利用することで医療費の7~9割を節約できます。

さらに、国民健康保険へ加入している場合は、窓口での支払いを限度額内に収められる「高額療養費受領委任払制度」も利用可能です。一方の限定額適用認定は、医療機関の窓口に認定証を提示することで、窓口での支払いが限度額内に収まる制度になります。いずれも活用することで医療費の大幅な節約になるのです。

3保険料控除と医療費控除を受ける

年末調整(確定申告)時において利用できる制度として、「保険料控除」と「医療費控除」が存在。保険料控除とは、個人で加入している生命保険、医療保険について、保険会社から送られてくる保険料控除証明書を提出することで、控除が受けられる制度です。

一方の医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間に100,000円以上の医療費を自己負担した場合、確定申告時に申請することで控除が受けられます。ただし、医療費控除を受けたい場合、企業の年末調整では申請することができないため、確定申告を自ら行う必要があるのです。この医療控除を受けることで、還付金が受け取れる可能性もあり、医療費の節約となります。

4かかりつけ医・かかりつけ薬局を持つ
受診時でも医療費の節約は可能

かかりつけ医を持っておくと初診時、再診に「特別料金」を加算されません。また、かかりつけ医では、既往歴、体質を理解した上で治療を進めるため効率良く医療が受けられます。

さらに、かかりつけ医ではコミュニケーションが取りやすく、質問したり相談したりすることもスムーズです。同様に、毎回異なる薬局を利用するのではなく、ひとつの薬局に絞って利用することが大切。この「かかりつけ薬局」を持っていると、自分の既往歴を理解しているため、複数の病院でもらっている薬の重複が避けられます。

5お薬手帳を持参する

薬局へ行く際、「お薬手帳」を持参するかしないかで、医療費の節約にも影響。薬局で調薬してもらう際には「薬剤服用歴管理指導料」がかかりますが、お薬手帳を持参すると、薬剤服用歴管理指導料が安く済むのです。

薬局の窓口で支払っている額は、厚生労働省が定めている調剤報酬点数に基づいて決定します。お薬手帳を忘れていくと、1点あたり10円相当の調剤報酬点数が加算されるのです。例えば、お薬手帳を持参すれば薬剤服用歴管理指導料が380円で済むのに対し、持参しない場合は500円もかかります。

6はしご受診をしない

同じ病院で受診する場合は初診料が1回で済むのに対し、複数の病院を「はしご受診」すると、そのつど初診料がかかるなど、余分な負担が発生。はしご受診は、検査を最初からやり直すため効率が悪く、検査量がかさむ、体の負担が大きいなどのデメリットもあるのです。

7保険証を必ず持参する

病院へ行く際に「健康保険証」を忘れると、医療費を全額自己負担しなければなりません。もちろん、後日申請することで保険適用分は戻ってきますが、一時的な負担を少なくするためにも、保険証は必ず忘れずに持っていくことが大切です。

8ジェネリック医薬品を利用する
薬代を大幅に軽減するジェネリック医薬品

「ジェネリック医薬品」とは、新薬の特許期限が切れたあとに、他の医薬品メーカーが新薬と同じ成分で作った同等の効き目がある薬を指しており、「後発医薬品」とも呼ばれます。

ジェネリック医薬品は薬の形、大きさが工夫でき、苦みを抑えるなどの調整も可能。また、薬の開発や宣伝費にコストがかかっていない分、価格が新薬の半額程度に抑えられているのが大きなメリットです。そのため、ジェネリック医薬品を利用すると、薬代の負担が大幅に軽くなります。

9時間外の受診を控える

診療時間終了後、休日に診療を受けると時間外加算の対象となり、医療費が通常より高額に。夜間、休日は限られた検査と処置しかできないため、翌日に再度、他の医療機関を受診しなければならないケースもあります。また、時間外加算は時間外、休日、深夜の3種類で、初診か再診かでも診察料金が異なるため、やむを得ない場合以外は、時間外受診を避けるのが無難です。

10大病院は紹介状を貰ってから受診する

紹介状を持たないで大病院を受診すると、「特別料金」がかかります。特に高度な医療を提供する特定機能病院、400床以上の大病院では、この特別料金の徴収が義務づけられているため注意が必要です。紹介状を持たずに受診すると、初診で5,000円以上、再診時で2,500円以上払う必要も。そのため、大病院は、かかりつけ医から発行してもらう「紹介状」を持参することで、特別料金がかからなくなります。

医療費を節約するには、常に健康でいることが最も重要

健康な生活を送ることが一番の節約

医療費の節約を考えるなら、まずは病院に頻繁に通わずに済む、丈夫な体づくりが不可欠。生活習慣を整え、健康診断を定期的に受けるなど、健康でいることが何よりも大切です。

また、健康でいることを意識した「セルフメディケーション制度」の利用も有効とされます。セルフメディケーション制度とは病気の予防、健康の増進などに取り組んでいる方が、本人または家族が合計12,000円を超える薬を買った際に受けられる控除のこと。

健康診断を受けている、予防接種を受けているなど、制度の利用には一定の基準があり、薬の範囲も医師に処方された薬、あるいは医薬品へ転用された「スイッチOTC医薬品」の購入などと定められています。また、セルフメディケーション制度を利用すると、医療費控除が受けられなくなるため注意しましょう。

まとめ

これまで、当たり前に支払っていた医療費はオンライン診療、医療控除の申請、ジェネリック医薬品の選択など、少しの工夫で節約できます。また、最も大切なのは運動、禁煙を心がけるなど普段から健康な生活を送り、基本的な生活習慣を見直すことです。さらに、健康の増進に取り組むと、セルフメディケーション制度も活用できる上、結果的に医療費の大きな節約につながります。普段から健康的な生活を意識していきましょう。

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