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介護リフォームとは?事例や補助金の利用条件、改修費用の目安を解説

「介護リフォーム」とは、介護を必要とする人が自宅にて過ごしやすい環境にするため、手すりの設置、段差解消などのリフォーム工事を行うことです。この介護リフォームによって、要介護者の自立した生活が期待できます。また、リフォーム工事には大きな費用が掛かる印象がありますが、介護リフォームには補助金制度が存在。介護リフォームの概要、補助金制度、改修費用の目安などを解説します。

介護リフォームとは

介護リフォームで快適・安全へ

介護リフォームとは、介護を必要する人の自宅を住みやすい環境へ整えることです。手助けなしでは行えなかった動作が可能となり、介護者の負荷軽減にもつながります。

高齢社会の日本において、住宅の整備をしてバリアフリーな環境をつくることは必須とも言えるでしょう。

介護リフォームの目的

介護リフォームの主な目的は「事故を未然に防ぐ」、「生活動作の自立・介助量の軽減を促す」、「介護を行う人の負担の軽減」の3点。要介護者の安全確保と自立を促し、介護する家族の負担を減らすことが重要なのです。

介護リフォームを考えるタイミング

介護リフォームを検討するタイミングは、一般的に病気になった際や介護度の認定を受けたときになります。また、加齢に伴い身体能力の衰えに気付いた際も、介護リフォームを検討すべきでしょう。

介護リフォームの事例

実際、どのような介護リフォームが行われているのか、イメージしやすいように各事例で紹介します。

手すりの取り付け

階段への手すりの取り付け

最も代表的なのは、手すりの取り付け。手すりを付けることにより、身体を足だけでなく手の力でも支持することが可能になります。

手すりが設置される場所は、主に段差付近や廊下、トイレ、浴室など。

バランスを保つことや移動の補助を目的として設置されます。

段差の解消

段差は躓いたり、昇降の際にふらついたりすることがあり、転倒へ繋がる恐れがあるため危険。玄関や玄関外の段差、浴室やトイレの入口など、家の中で段差が想定される場所は様々なのです。段差をなくすことは、転倒リスクを減らせるだけではなく、車いすによる家の中での移動が容易になります。段差はスロープの取り付けや、床のかさ上げ等により解消が可能です。

床材の取り換え

床が滑りやすかったり、歪んでいたりすると転倒のリスクが上昇。また、畳のわずかな段差に躓くことも少なくありません。滑りを防止するために、滑りにくい床への改修、畳からフローリングへの変更などが実施されます。

扉の取り換え

扉の開閉も要介護の生活では重要なポイント。例えば開き戸は、車いすで使いにくく、バランス能力が低下している人にとっては、転倒する可能性もあります。このような場合、引き戸や折れ戸などへ取り換えることによって、扉の開閉が容易になるのです。

トイレの取り換え

和式トイレでの排泄は、ある程度の筋力とバランス能力がないと難しいもの。また、便器の高さが低いと、立ち座りに支障が生じることもあります。そのため、和式トイレから洋式トイレへ取り換えたり、便器の高さを調節したりすることで、排泄がずっと楽になるのです。

介護リフォームの補助金について

介護リフォームにおいて、介護保険制度の被保険者であれば、補助金制度である「居宅介護住宅改修費」を利用できる可能性があります。なお、居宅介護住宅改修費には、利用条件や上限額があるため注意が必要です。

介護保険制度の居宅介護住宅改修費とは

居宅介護住宅改修費使用で改修費用も抑えられる

居宅介護住宅改修費とは、介護リフォームを金銭的に支援する、介護保険制度を利用した補助金。手すりの設置、床材の改修などが、この居宅介護住宅改修費の範囲となります。

通常、介護保険における費用の補助については、介護度によって支給限度額が定められていますが、この居宅介護住宅改修費は支給限度額とは別で利用することができるのです。

居宅介護住宅改修費の利用条件

居宅介護住宅改修費の対象となる利用条件は、以下の通りになります。

  • 介護度の認定を受けている
  • 改修する家に実際に住んでいる
  • 介護保険被保険者証の住所と改修を希望する住宅の住所が一致している

介護保険サービス利用者が施設に入所しており、実際に自宅へ住んでいない場合は、居宅介護住宅改修費を受けることができません。そのため、介護保険制度を利用するすべての人が、居宅介護住宅改修費の対象となる訳ではないことに注意しましょう。

居宅介護住宅改修費の上限

介護リフォーム費用は様々

居宅介護住宅改修費には、上限が設けられており、かつ介護リフォーム費用の全額を賄うことができる訳ではありません。限度額は1回の改修で200,000円までであり、利用者の収入に応じて改修費用の1~3割を自己負担します。

そのため、居宅介護住宅改修費として支給される金額は、改修費用の7~9割です。なお、200,000円を超えた費用に関しては、全額自己負担となります。

介護リフォームの費用の目安

居宅介護住宅改修費は、200,000円までの上限があるため、改修費用の目安を抑えておくことは重要なポイントです。介護リフォームの各事例を参考に確認していきましょう。

手すりの取り付け

手すりの取り付け費用は、約30,000~50,000円。設置場所や種類によって値段が異なることがあります。

段差解消

玄関スロープ、段差昇降機の取り付けは200,000円前後、廊下などの段差解消は10,000~100,000円程度。玄関外のアプローチへスロープを作る工事には、500,000円ほど掛かることもあります。また、玄関の工事には様々な付帯工事が合わさり、400,000~500,000円前後になることが多いのです。

床材の取り換え

リビングの床材の取り換えに掛かる費用は、50,000円前後。浴室内の床の素材を変える場合は、約100,000~200,000円が目安とされています。

扉の取り換え

扉の取り換えは、変更する扉のタイプによって費用が異なるのです。例えば、トイレの扉を引き戸に変える場合は約100,000~200,000円ですが、浴室の扉を折り戸へ変更する場合は、70,000円前後が目安になります。

トイレの取り換え

和式トイレから洋式トイレへの取り換え費用は、約180,000~400,000円が目安。便座を高くする補高便座の設置に関しては、20,000円程度とされています。

失敗しない介護リフォーム事業者の選び方

介護リフォームで失敗しないためには、事業者選びが大切です。適切な事業者を選ばないと、思うような住宅環境とならなかったり、費用が高くかかってしまったりします。介護リフォーム事業者を選ぶ際の注意点も抑えておきましょう。

介護・福祉の専門職員がかかわっている事業者を選択

見積もりは複数社から

一般的なリフォームと介護リフォームは、目的が異なります。そのため、介護・福祉にかかわる専門職員の在籍の有無が、事業者選びの大きなポイント。

必ず、福祉用具専門相談員、福祉住宅環境コーディネーターなどの専門職員が在籍している事業者を選択しましょう。

複数の事業者から見積もりを取る

複数の事業者から見積もりを取ることで、費用が高額になるという失敗を防ぐことができます。忘れずに複数の事業者から見積もりを取り、適正価格での介護リフォームを行いましょう。

介護リフォームの流れ

実際に、介護リフォームを行う際の順序について覚えておくことも大切です。ここでは介護度の認定から、居宅介護住宅改修費支給までの流れを確認していきましょう。

1介護度の認定が必須
はじめに、介護度の認定を申請します。介護認定は市区町村の窓口で申請可能。申請後、介護度判定まで1ヵ月ほどかかることもあるため、早めに動き出すことを推奨します。
2ケアマネジャーに相談する
介護度の認定後にケアマネジャーへ相談し、住宅改修が必要な箇所と改修計画を行います。
3業者へ依頼・契約
改修計画をもとに、複数のリフォーム事業者から見積もりを取って選定。希望に合致する事業者と契約します。
4自治体に居宅介護住宅改修費の申請をする
リフォーム事業者と契約後、市区町村へ居宅介護住宅改修費を申請。なお、申請には住宅改修を行う理由を記載した書類、リフォーム事業者の見積書、改修を行う場所の写真などの提出が必要です。
5改修開始
市区町村の審査後に住宅改修を開始。改修費用は一旦全額支払います。
6改修費用の払い戻し
市区町村へ改修箇所の写真等を提出し、改修が終わったことを報告。改修が介護保険の適応内と判定されれば、7~9割の費用が居宅介護住宅改修費によって払い戻されます。

まとめ

介護リフォームを行うことは、介護が必要な人の自立した生活や、家族の負担軽減につながるのです。また、改修費用の軽減に関しては、居宅介護住宅改修費を利用することが可能。適切な介護リフォームをして、質の高い生活を維持しましょう。

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