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飲み残した薬はどうすればいい?飲み残しを減らす方法

毎日決まった時間に薬を飲むことはとても大切です。決められた時間に薬を飲むことは、薬の効果にも影響し、その後の病状にも大きくかかわってきます。ただし、1日に飲む回数が多いと煩わしさを感じたり、薬の種類が多いと飲むべきタイミングが分かりにくくなったりして、飲み残しが出ることも少なくありません。残ってしまった薬はどうしたら良いのか、薬が飲めなかったときの対処法や飲み忘れを減らす方法について紹介していきます。

余った薬・飲み残しの薬はどうすればいい?

薬を飲み忘れてしまったり、薬が余ってしまったりした薬は、「残薬」(ざんやく)と呼ばれます。残薬が増えて困ってしまった場合は、薬剤師に相談しましょう。

薬局へ持参して薬剤師に相談する

余った薬の処理は意外と大変

薬を飲み忘れて余ってしまった場合は、薬のプロフェッショナルである薬剤師に相談しましょう。残薬を確認し、再利用できる物、再利用できない物に細かく分けて有効活用できるよう、指導してもらえます。次回以降の処方では薬を飲み忘れないよう「一包化」(いっぽうか:1回に飲むべき薬をパッケージにまとめる方法)するか提案してくれたり、カレンダーに薬をセットして飲み忘れを防ぐ等の工夫を教えてもらえたりするのです。

薬の飲み残しが起こる原因

薬は、処方されてからの服用期間(ふくようきかん:薬を飲む期間のこと)が長くなるほど、飲み残しが起こりやすくなります。なぜ飲み残しが起きてしまうのか、その原因や理由について見てみましょう。

薬の飲み忘れや飲み間違い

飲む薬が多いと飲み間違えやすい

薬が余ってしまう、残ってしまう要因は、「飲み忘れ」や「飲み間違い」などです。飲み忘れについては、1日に飲む回数が多い薬ほど飲み忘れの可能性は高まります。薬には飲むタイミングが細かく定められており、指示通りに飲むことが重要。タイミングは、「食後」、「食前」、「食直前」、「起床時」、「寝る前」、「空腹時」、「食間」などで、これ以外にも細かく定められる場合があります。

自分の飲んでいる薬の種類が増えると、それだけ薬を飲むタイミングも増え、飲み間違えてしまう可能性も高まるのです。特に、複数の病院に通っている人は注意が必要。薬のほとんどは白いタブレット状である物が多く、自分では正しく飲んでいるつもりでも、間違えて違う薬を飲んでしまうこともあります。

生活習慣と服用時間が合っていない

例えば、夜勤の仕事をする人達は、日々夜~深夜帯に仕事をするため、世間一般の生活リズムではありません。そのため、薬を飲むべきタイミングを間違えたり忘れたりしやすいのです。

また、仕事の手が空いたときに食事を取る人は、毎日決まった時間に薬が飲めない場合も。病院にかかったときは、自分の生活リズムを医師に正しく伝え、正しいタイミングで服薬できるよう処方箋を出してもらいましょう。

自己判断で服薬をやめてしまう

かぜ薬や傷薬などは、症状が完治すれば、その時点で薬を使わなくなるケースがほとんどです。しかし、高血圧や糖尿病などの生活習慣病に使用される薬は、薬の効果によって、病状や血液の数値を安定させています。健康診断などで異常が見られなくなった場合、「治った」と自己判断して、医師の承諾なく服薬を終了するのはやめましょう。

それまで薬が体調を安定させてくれていたから健康状態を保てていたので、自己判断で服用をやめると、病状が悪化するリスクがあります。また、何らかの症状を「薬のせいで体調が悪くなった」と勘違いして飲むのをやめてしまうケースも。

実際に、薬によって副作用が引き起こされていることもありますが、そうでない場合ももちろんあるため、副作用が疑われる場合は、薬をやめても良いかどうか医師に判断を仰ぎましょう。

薬の飲み残しを減らす方法

お薬手帳を活用する

ご自宅にある残薬は薬剤師へ相談

お薬手帳とは、今現在何の薬を何種類飲んでいるのか、薬を飲むタイミング・飲む錠数はいくつかなどの情報を一元的に管理できる小さなノートです。

薬の種類が増えると、自分が今何の薬を飲んでいるのか、全部で何種類の薬を飲まなければならないのか、分かりにくくなる傾向があります。そんなときにお薬手帳があれば、薬の情報を確認し直すことが可能。また、他の病院にかかって服用する薬が増えた場合でも、飲み間違いの防止につながります。

節薬バッグを使う

「節薬バッグ」とは、飲み忘れてしまった、残ってしまった薬を薬局に持参するためのかばんです。もしも薬が余ってしまったとしても、節薬バッグを活用することで、次の受診の際に有効活用することが可能。それと同時に、飲み忘れの頻度をご自身で把握しやすくなります。薬剤師に確認してもらい、薬が残っている分、次回に処方される薬の量を少なくしてもらうなど、薬代の節約にもなるのです。

余った薬の注意点

寄付したり売ったりするのは違法

余った薬を他人にあげたり、売ったりすることは、法律で禁止されています。薬の受け渡しは「薬機法」(やっきほう:医薬品や医療機器の品質、有効性や安全性についての法律)で違反行為とされているのです。

医薬品は世の中にたくさんの種類があり、患者ひとりひとりの体質や症状、生活に合わせた薬でなければ効果がないうえに、副作用のリスクさえあります。他人の体を危険にさらさないためにも、譲渡や販売は絶対に行ってはいけません。

返金や返品はできない

原則として、一度渡した薬は返品・返金できません。日本では「医療保険制度」(医療を受けるときにかかる費用を公的機関が肩代わりしてくれる制度)を導入しており、患者は一部の負担金を支払うだけで薬をもらうことができます。

このとき、公的機関と薬局の間には公法上の契約に基づいた「契約調剤」と称される契約が交わされており、一度調剤した薬剤の返品・返金はその契約に違反することになるのです。薬局や病院のなかで、薬は湿度や温度などの品質管理を徹底して保管されています。一度管理下から外れた薬は、例え使用していないとしても、再利用することはできません。不要となってしまった薬は、薬局で廃棄のために回収してもらうことは可能です。

まとめ

飲み残しや飲み間違い、飲み忘れなどの薬に関するトラブルは、飲む種類や回数が増えていくごとに起こりやすくなります。人によって生活習慣が違うため、自分の生活リズムに合わない服用方法は、飲み残しの原因にもなるのです。

薬が残ってしまって困ったら、薬剤師の手を借りるのも良いでしょう。薬の専門家ですので、どのような薬を何種類飲んでいても、適切に調整してくれます。飲み残しが多い人には、薬が余ることを防ぐよう、一包化や薬カレンダーの提案などもしてくれるのです。余った薬は医療制度上、返品・返金できないため、お金を無駄にしてしまわないよう、飲み残しが起こらないように工夫をすると良いでしょう。

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