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認知症は病院の退院を迫られる?認知症状の種類や退院後の対応方法を解説

認知症の高齢者が入院をすることで、症状が悪化する例は多く見られます。長時間ベッドに横になることで、身体への刺激が少なくなり、脳の機能が低下するからです。また、認知症状によっては大声を上げたり、病院スタッフへ暴力を振るったりすることもあり、このようなことが続いた場合、退院を迫られることも。「認知症は病院の退院を迫られる?認知症状の種類や退院後の対応方法を解説」では、退院を促される認知症状の種類や、退院を求められた際の対処について解説します。

退院を催促される認知症状

病院側が患者に対して退院を催促するのは、治療に不都合な症状が続くと判断した場合です。ここでは、病院内で大きな影響を与える、「4つの周辺症状」について解説します。

徘徊

徘徊とは、病院内を歩き回る症状。認知症による徘徊は、患者本人の意思でコントロールできない脳の機能低下によるものです。病院で治療を受けなければならないことを説明しても理解してもらえず、患者は家へ帰るという思いに突き動かされて歩き回ります。また、トイレを探すうちに自分がどこにいるのか分からなくなる、見当識障害でさまよっていることも。

徘徊により、安静にしていなければならない場合には効果が現れず、治療の継続も困難になるのです。

暴力行為

病院のスタッフなどへの暴力行為に及ぶのは、患者が自分の思いを言葉で上手く伝えられず、常に不安や焦りがあるためとされています。直接の被害を与える、治療に妨げにもなるため、一番危険な症状とも言えるでしょう。

なお、患者の心のうちを理解して、本人の希望をしっかりと確認していけば、暴力行為が落ち着いてくることもあります。

治療の拒否

入院により認知機能が低下する

認知症の患者は、複雑な動作が続く行為は苦手。着替えを拒絶して汚れた洋服を着たままで過ごしたり、理由を付けて入浴を断ったり、拒絶される場面は多くあります。治療に対しても同様で、苦手意識が働くと拒否反応を示すのです。しかし、治療そのものを拒絶される状態が続くと、入院が困難になっていきます。

大声を出す

認知症の患者は、自分の感情を適切に表現することが困難になり、大声を出すことで感情を表現するようになることも。また、認知症患者は環境の変化に敏感であり、病院のように不慣れな環境だと特に混乱しやすく、大声を出す行動に繋がります。しかし、大声を出すことも暴力行為と同様、周囲に迷惑をかけて治療の妨げにもなるため、収まらない場合は退院を促されることになりかねません。

退院を促された場合の対処

医療相談室を利用する

医療相談室

入院設備を持つ病院には、「医療相談室」が設置されており、患者が入院したときから「退院支援」を実施。この退院支援とは、退院後の生活でスムーズに療養が行えるように支援体制を整えることです。また、医療相談室には、「医療ソーシャルワーカー」が在籍し、退院後の生活で起こる様々な問題に対して、アドバイスを行います。

認知症によって退院を促された場合も、医療ソーシャルワーカーが次の受け入れ先となる病院、施設を探してくれる可能性が高く、仮に在宅介護を選んだ場合でも、地域の医療機関へ情報を共有します。そのため、退院を促されたら、まずは医療相談室へ相談して今後の道筋を見付けましょう。

地域包括支援センターへ相談する

地域で生活する介護の窓口になるのが、「地域包括支援センター」です。退院を促されたら、市区町村の地域包括支援センターで現状を相談してみましょう。その際、在宅介護の方法のみならず、施設介護における提案も受けることができます。その際、要介護認定を受けていないと介護保険サービスが利用できないので、地域包括支援センターを通じて申請を出すことが重要です。

介護保険サービスを使って在宅介護を行う

退院して在宅介護を行う場合、一人で抱え込まず介護保険サービスを利用。必要となる福祉用具のレンタルもできますので、地域包括支援センターまで相談しましょう。なお、どのような介護保険サービスが使えるのかは、一人ひとりの状況によって変わります。要介護認定を受けた上で、地域包括支援センターに在籍するケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、支援を受けることが必要です。認知症の方の介護は、かなりの負担がかかるため、介護保険制度をはじめ、積極的に自治体の福祉サービスを活用する必要があります。

まとめ

病室で大声を出して暴れて治療を拒絶するなど、認知症の進行によって退院を迫られることは往々にして存在。そのような場合、病院に併設されている医療相談室を利用して、最善の方法を見付けましょう。

次の受け入れ先が見付けられず、在宅介護となった際は、介護保険サービスを利用することで、介護の負担を大幅に軽減することもできます。介護の窓口となる地域包括支援センターなど、専門機関へ相談しましょう。

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