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老人ホームで提供される食事・献立の内容は?メニューの例を紹介

老人ホームにおける食事の献立は、施設によって多種多様です。必要な栄養を摂るためだけでなく、楽しめるようなメニューを考えている施設も少なくありません。「高齢者食」、「介護食」と言った形態の食事が、入居者様に合ったメニューで対応できる施設を選ぶことも必要です。「老人ホームで提供される食事・献立の内容は?メニューの例を紹介」では、老人ホームにおける食事の特徴、献立の例、よくある苦情、おいしいメニューが提供される施設を選ぶときのポイント、食品の持ち込みができるかどうかについてご紹介します。

老人ホームで提供される食事の特徴

老人ホームで食事をする様子

老人ホームで提供される食事の特徴は、施設によって個性があります。入居者様が楽しんで食事ができるよう献立にこだわった施設も多く、バラエティー豊かなメニューが魅力です。

行事だけでなく通常時のメニューでも、お店で食べるような食事を提供している施設もあるため、食事にこだわりのある方はチェックしておきましょう。また、見た目だけでなく、多くの施設で「栄養士」または「管理栄養士」によりメニューが考えられています。献立表でカロリーや栄養素を確認できる場合もあるため、可能なら入居前に一度見ておきましょう。

季節やイベントに合わせた献立

老人ホームでは、お正月や節分、ひな祭りなど季節に応じた献立も提供。入居者様によっては1日の多くを施設内で過ごしますが、食事によって季節の移り変わりを感じられます。施設によっては、マグロの解体ショーやお花見など、食べるだけでなく見たり体験したりして楽しめるイベントもあるのが魅力です。イベントや季節行事食が提供されることで、食欲増進につながりやすいことがメリット。食事の楽しみが増え、入居者様の満足度を高めることにも大きな役割を果たしています。

メニューを選択式にしている施設も

洋食や和食、中華などのメニューが選べる食事を採用している施設もあります。選択式なので、その日の気分や体調に応じて好きな食事を選べることが特徴。選択式の食事は、食事にこだわりを持つ入居者様にとって重要な項目です。事前にスタッフが入居者様にヒアリングして当日の食事内容を決めるなど、食事の決め方は施設によって様々な方法があります。具体的にどうやって食事を決めているのかは、施設に確認しておきましょう。

生産者や調理師の顔が見える取り組み

使用している野菜など、食材の生産者を献立表で説明する施設もあります。食事にこだわっている施設では、大きな厨房があり、施設内で一から十まで作っているケースも。食事の調理を外部委託している場合は、委託業者の栄養士や管理栄養士、調理師が直接入居者様へ話を聞きに来たり、情報誌に調理担当の方々を掲載したりして、顔が見える取り組みを行っています。

老人ホームの献立・メニューの例

老人ホームでの献立例

老人ホームでの献立は、施設や季節、イベントなどによって様々。入居者様の誕生日にお祝いの献立を出す施設や、夏祭りなどのレクリエーションに合わせた献立を提供する施設もあります。ここでは、献立の例を紹介。なお、施設での食事が合うかどうかは人によって異なるので、紹介する献立例はあくまでひとつの参考にしましょう。

通常時の献立例
献立
朝食(例1) ・フレンチトースト
・コンソメスープ
・フルーツ
・牛乳
朝食(例2) ・ご飯
・味噌汁
・スクランブルエッグ
・野菜サラダ
・漬物
・乳製品
昼食(例1) ・パン
・ロールキャベツのトマト煮
・菜果サラダ
・杏仁フルーツ
・牛乳
昼食(例2) ・マグロの漬け丼
・抹茶塩付きミニ天ぷら
・ミニうどん
・フルーツ
おやつ・
デザート
(例1)
・チョコブラウニー
おやつ・
デザート
(例2)
・水まんじゅう
夕食(例1) ・ご飯
・豚ロース味噌焼き
・冬瓜となすの煮物
・シラスの酢の物
・白菜とお揚げの味噌汁
夕食(例2) ・赤飯
・メカジキの西京焼き
・小松菜のからし和え
・かぼちゃのそぼろあん
・お吸い物
行事やイベントなどの献立例




献立例
1月

・赤飯
・おせち料理
・お屠蘇(おとそ)
・樽酒の鏡開き
・お雑煮
2月
・イワシハンバーグ
・さつま芋と豚肉のごま味噌煮
・ひじきとおくらの和え物
・なすしそ風味
・甘納豆
・巻きずし





・ご飯
・ビーフストロガノフ
・野菜のチーズ焼き
・カリフラワーのサラダ
・チョコレートデザート
3月


・ちらし寿司
・天ぷらの盛り合わせ
・桜エビと春キャベツのおひたし
・ハマグリのお吸い物
・桜餅風デザート
4月

・たけのこご飯
・抹茶塩付き春野菜の天ぷら
・とりしんじょ
・ひれステーキ
・桜羊かん
5月



・たけのこご飯
・カレイの照り焼き
・わかめの酢の物
・ウグイス豆
・かしわ餅風和菓子
6月
・ご飯
・味噌汁
・冷やし豚しゃぶ
・チンゲンサイの煮びたし
・昆布の佃煮
・あじさいゼリー(ブドウ味)
7月
・ご飯
・卵豆腐
・いんげんの胡麻和え
・七夕そうめん
・七夕ゼリー
8月
・ひじきの炊き込みご飯
・精進揚げ
・春菊の白和え
・赤だし
・水羊かん
9月

・三食おはぎ
・筑前煮
・もずく酢
・洋ナシ
・すまし汁
10月



・チキンライス
・クリームシチュー
・紫キャベツのハロウィンサラダ
・コンソメスープ
・パンプキンプリン
・ハロウィンどら焼き
11月


・きのこのおこわ
・鮭の幽庵焼き
・カブとささみの酢の物
・里芋の味噌田楽
・茶碗蒸し
・和菓子
・柿
12月



・オムライス
・鶏のから揚げ
・コンソメスープ
・桃
・ミニクリスマスケーキ


・年越しそば
・天ぷらの盛り合わせ
・かぶときゅうりの和え物
・みかん

老人ホームの食事でよくある苦情

老人ホームの食事は、工夫が凝らされた献立も多くあります。しかし、食事がすべての入居者様に合うとは限らないのです。見た目が悪い、食べ終わったお皿がなかなか下げられないなど、サービスに関係する苦情も少なくありません。施設見学で実際に食堂の様子を確認するときは、食事内容だけでなく配膳や介助などのサービスも丁寧に行われているか、確認することが大切になります。

実際に老人ホームへ寄せられた苦情例は、以下の通りです。

  • 味付けが薄い
  • 味付けが濃い
  • 食事が冷めている
  • 食材が硬い
  • 料理がやわらかすぎる
  • 似たような献立が続いている
  • 質の悪い食材を使っている
  • 苦手な食材が毎回入っている
  • 冷凍食品が多い
  • 量が足りない
  • 塩分のばらつきがある
  • 食事に髪の毛など異物が混じっている

おいしい食事ができる老人ホームを選ぶ5つのポイント

老人ホームで献立が並べられる様子

献立の内容や苦情だけでなく、献立表や後述する食事形態などチェックしておきたいポイントがあります。特に、必要な食事形態がない場合は、そもそも施設を利用できない可能性もあるため、注意が必要です。

それぞれのポイントをチェックすることで、あらかじめ食事が合うかどうか分かりやすくなるため、確認しておきましょう。

見学ができる場合は、朝食や昼食の時間に訪れることがおすすめです。実際に介助している様子を自分の目で確認できます。おいしい食事ができる施設を見分ける5つのチェックポイントは、次の通りです。

1献立表を確認
多くの施設で、1週間もしくは1ヵ月分をまとめた献立表が確認できます。毎日の献立を見比べて、同じような献立ばかりでないか、季節に応じた献立もあるかなどをチェックしましょう。また、献立表を見る際に注目しておきたいことが、献立の分かりやすさです。「ビーフストロガノフ」、「エスカベッシュ」、「ガスパチョ」など、カタカナで料理名のみが記載されていると、どんな料理なのかが入居者様にはよく分かりません。「ビーフストロガノフ:牛肉ときのこの煮込み料理」、「エスカベッシュ:西洋風の南蛮漬け」「ガスパチョ:冷たい野菜スープ」など、料理のイメージのしやすさに工夫がされているかも確認しましょう。
2食事形態を確認

入居者様の食事形態は、(1)一般的に家庭やレストランなどで提供される「普通食」、(2)加齢に伴い食べる能力が衰えてきた方向けの「高齢者食」、(3)食べる能力が弱くなった方向けの「介護食」、(4)病気に合わせて提供される「療養食」の4種類です。

(1)普通食
普通食とは、一般的に健康な高齢者が摂取するバランスの取れた通常の食事を指します。普通食は、特別な栄養上の注意や食事制限がない、噛む力と飲み込む力が比較的保たれている入居者様向けの食事です。

(2)高齢者食
高齢者食は、加齢に伴って噛む力や飲み込む力などが衰えてきた方向けの食事です。食材を小さく切って食べやすくしたり、味覚が衰えている場合は香りで食欲を刺激したりするなどの工夫が施されています。

(3)介護食
高齢者食でも食べることが難しくなると、介護食への転換が必要です。介護食は、入居者様の食事能力に応じた状態で提供され、食事の種類は以下に分けられます。

  • ミキサー食:食材をミキサーにかけて限りなく液体に近付けた食事
  • きざみ食:食材を一口大、もしくは一口大以下に細かくきざんだ食事
  • とろみ食・ゼリー食:くず粉や片栗粉を用いて食材にとろみを付けた食事
  • ソフト食:舌で簡単に食材を崩せるようにやわらかくした食事
  • 水分補給食:水分補給をできるよう飲料などをゼリー状にした食事

なお、介護食を扱っている施設でも、すべての種類に対応しているわけではありません。入居時点で介護食が必要な場合は、施設へどの介護食に対応しているのか確認しておきましょう。

(4)療養食
療養食は、入居者様の持病に合わせた食事です。「糖尿病」を患っている方なら「糖尿病食」、「腎臓病」なら「腎臓病食」など、病状によって異なる食事が提供されます。なお、療養食を利用する場合は、追加料金が必要となるケースもあるため、注意しましょう。

3施設で調理しているか確認
老人ホームの食事は、施設内で調理している施設と外部業者に委託する施設があります。施設内の調理では、運ぶ際に冷凍する必要がありません。施設で作って直接食堂に運ぶため、でき立ての食事を楽しめます。
4食事の介助は適切か確認
入居者様によっては、食器を支えたり、口元まで食材を持って行ったりなど、食事の介助が必要です。状況に応じた適切な介助を受けられていれば、介助が必要な方も楽しい食事の時間を過ごせます。また、使いやすい食器が用いられているかもチェックしておきましょう。食事しやすい環境も施設で暮らすときに重要な要素です。
5実際に試食をしてみる
入居前に試食すると、食事のおいしさだけでなく、在住の入居者様達が楽しそうに食事しているかなどを直接確認できます。入居者様の食事中にスタッフがどう働いているかもチェックしておきましょう。

食事の持ち込みはできる?

スタッフと料理する高齢者

食事の持ち込みは、施設ごとに規則が定められています。ただし、多くの施設では、お刺身などの生鮮食品や調理を必要とする食品は持ち込めません。食中毒を引き起こす恐れがあるためです。賞味期限の分からない食品も、同様の理由で持ち込めない可能性があります。

何を持ち込んで良いのかは、事前に施設へ確認しておきましょう。なお、持ち込める食品でも、当日持ち込んで余ったときは持ち帰る必要があります。

まとめ

毎日の食事は、入居者様にとって充実した生活を送るために重要な要素です。多様なメニューは、入居者様の生活をより充実した日々にしてくれます。また、持病や好みに合わせた食事提供がされているか、確認は欠かせません。好みに合わない食事は、食べる楽しみを減少させてしまいます。療養食に追加料金がかかるかどうかの確認も含め、施設見学をする際に必ずチェックしておきましょう。施設内で自炊したい方は、料理スペースが用意されているかの確認も必要です。

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