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親の介護を手伝わない兄弟|トラブルを回避する方法

親の介護を手伝わない兄弟がいる際に生じるトラブルについてまとめました。親を介護するときは、兄弟同士で助け合うのが理想的です。しかし、親の介護を手伝わない兄弟がいると、言い争いなどの問題が生じることがあります。親を介護する際に発生しやすい兄弟間のトラブルについて解説。原因だけでなく、どのようにすればトラブルを回避できるのかも分かります。

親の介護に関する兄弟間のトラブル

兄弟間の親の介護トラブル

親の介護をするとき、兄弟の間で意見が合わず、口論になったり、金銭的な問題が生じたりする場合があります。

ここでは、親の介護に関する兄弟間のトラブルについて詳しく解説しましょう。

介護を押し付け合う

介護に対して全員が非協力的だと、押し付け合いが始まり、言い争いになってしまうことがあります。また、「介護は長男がすべきだ」という昔ながらの考えを持っている家庭も存在するのが現状です。

古い考え方にとらわれていると、特定の兄弟に過度の負担がかかって我慢が限界に達し、不和が生じてしまう可能性があります。

介護費用の負担を拒否する

介護資金は親の貯金や年金から捻出するケースが大半ですが、足りなくなると、不足分は兄弟で出し合って補填(ほてん)しなければなりません。均等に負担できれば問題ありませんが、なかには、自分のお金を使うのを拒否する兄弟もいます。

費用の負担に関する意見に相違が生じると、資金不足に陥った際に口論に発展するケースも。また、費用の負担に消極的な兄弟がひとりでもいる場合は、話し合いが難航してしまいます。

介護を手伝わずに口出しする

介護を手伝わずに口出しをする兄弟がいると、日常的に介護を担当している人の不満が募るので要注意です。口出しだけにとどまらず、自身の意見を押し付けようとする兄弟がいる場合は、トラブルに発展しやすくなります。

介護をしてくれている人の負担を考えずに発言すると、兄弟間の不和につながるので、お互いを思いやる気持ちが大切だと言えます。

主な介護者が遺産を多くもらおうとする

兄弟同士で助け合えない場合は、相続の問題が生じることも。主な介護者が親の世話をしている分、多くの遺産を受け取りたいと考えるためです。

しかし、法律上、親の財産は平等に相続することが定められています。介護を手伝っているかどうかにかかわらず、平等な相続権があると考えるのが一般的。結果として、兄弟間で相続に関する考えに相違が生じ、関係悪化を招いてしまいます。

親の介護でトラブルが起きる原因

兄弟との関係を良好に保つために、介護をする際に生じる問題の原因を把握しておきましょう。ここでは、トラブルが起きやすい原因を2つ紹介します。

親の介護が突然始まる

親の介護でトラブルが起きる原因

何の準備ができていない状況で、急に介護が始まると、兄弟間で押し付け合いになりかねません。また、特定の兄弟だけに介護を任せ、不平等な状態になってしまうことも、兄弟間の関係が悪化する原因です。

介護がどれだけ大変かは、経験しなければ分かりません。兄弟同士で助け合わないと、主に介護を担当してくれている人の不満や孤立感が大きくなってしまいます。トラブルを放置していると我慢が限界に達し、兄弟間の不和につながるので要注意です。

親が高齢の場合、急な体調不良やケガによって、突然介護が始まることもあります。介護が始まる時期の予測は難しいので、早いうちから介護に関する知識を身に付け、介護が必要な場面を想定して準備をしておきしょう。

親の介護をする時間やお金がない

「仕事や育児で忙しい」、「遠方に住んでいるため、通うのに時間がかかる」など時間に余裕がないと介護を押し付け合い、トラブルが生じてしまうので注意が必要です。

また、お金に余裕がないことも兄弟との関係悪化にかかわります。親の預貯金が底をつき、資金が足りなくなった場合は、兄弟で出し合わないといけません。

しかし、サポートをしたいという気持ちがあっても、収入や住宅ローンなどの問題を抱えており、十分な預貯金がない人もいます。兄弟で預貯金額に差があるなら、平等に負担するのは困難です。他の兄弟の状況を考えず、無理に平等にしようとすると、不和が生じてしまいます。

資金に余裕がある人が多めに費用を支払い、介護は他の人に任せるなど、全員が納得できる方法を考えましょう。

トラブルを回避する方法

トラブルを回避する方法

兄弟間でトラブルが生じると、お互いに助け合うのが難しくなります。

兄弟と良好な関係を保ち、助け合えるように、介護をする際に生じる問題の回避方法を把握しておきましょう。

介護に関する知識を身に付ける

介護に関する知識を身に付けておくと、時間があるうちから準備を進められるため、兄弟全員の負担軽減が期待できます。

また、介護の方法だけでなく、公的制度も知っておくことが大切です。制度を利用すれば、介護費用の一部を支援してもらえます。しかし、親の年齢や疾病によって受けられる支援が異なるので、事前に知識を身に付けておかないと、スムーズに利用できません。介護が急に始まって慌てることがないように、今のうちから勉強し、正しい知識を身に付けておきましょう。

親に介護に対する考えを聞く

親に介護に対する考えを聞いておくことも、兄弟間の不和を回避する有用な手段です。親の考えを尊重しながら介護の方針を決めれば、兄弟間で意見がぶつかりにくくなります。

兄弟同士の不和を防ぐだけでなく、本人の意向を介護に反映させるためにも、親の考えを聞いておくことが大切です。自宅に住み続けたいのか、施設に入りたいのかを聞いておくだけでも、介護の準備を始められます。

親の経済状況を確認する

介護が始まる前に、親の収入や預貯金額を確認することも重要です。また、住宅などのローンを抱えていないかも聞いておくことをおすすめします。介護では基本的に、当事者である親の資金を使うことが一般的。しかし、親の預貯金が不足した場合、兄弟でお金を出し合わないといけません。

事前に親の収入や預貯金額を把握し、どれくらいの期間の介護であればお金が足りそうか考えておきましょう。早い段階で確認しておくと介護が始まる前から準備ができ、お金の問題に悩むリスクの低減が期待できます。

兄弟で役割分担をする

兄弟で役割分担を行い、助け合いながら介護をすることも肝心です。平等に役割を割り当てれば、一部の兄弟だけが不満を抱えるような事態を未然に防げます。例えば、週ごとに担当を交代するというルールを決めれば、一部の人が不満を抱えるような事態を防ぐことが可能です。

役割分担が決定したら、その内容を記録しましょう。役割分担の記録を残すことで、言った言わない問題の発生を防ぐことができます。

介護施設への入所を検討する

介護施設への入所もひとつの手段です。介護施設を利用すれば、親の介護をお願いできるため、兄弟が介護せずに済み、兄弟間で起こりうるトラブルを防ぐことができます。

施設利用の費用はかかってしまいますが、身体的な負担だけでなく、精神的なストレスを軽減できることもメリットです。

費用を可能な限り抑えたいなら、公的機関が運営している介護施設を検討しましょう。国から補助金が提供されている分、低価格で利用することが可能です。

ただし、要介護認定を受ける必要があるなどの条件があるので、介護が始まる前に調べておきましょう。地域包括支援センターに相談すれば、専門のスタッフから施設を提案してもらえます。

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