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老後にかかる費用はどのくらい?一人暮らしや夫婦の生活費などを解説

老後は、生活費以外に様々な費用が必要になります。安心して老後生活を送るには、不測の事態に備えられる資金を準備しておくことが重要です。しかし介護費用をはじめ、老後にかかるお金について、詳しく理解している人は多くありません。また、負担を軽減するために活用できる制度などを知らない方も多いことでしょう。「老後にかかる費用はどのくらい?一人暮らしや夫婦の生活費などを解説」では、老後にかかる費用全般について解説します。

老後にかかる費用は多種多様

老後の生活は資金が重要

老後には、様々な資金が必要です。定年前から支払っていた費用から、介護・医療費など老後特有の費用まで多岐にわたります。安心して老後を過ごすためには、何にどれくらいお金が要るのかを知っておくのが重要。その費用は、大きく分けて以下の通りとされています。

1基礎生活費

「基礎生活費」とは食費、水道光熱費、交通費など日常生活を送る上での費用。金額は生活習慣や居住地域などによって、それぞれ異なります。老後における生活費は現役時と異なり、食べる量が減るため食費は減少傾向。反対に現役時と比較して在宅時間が増えるため、水道光熱費が増える傾向にあります。また、交通費では余暇時間の増加に伴い、交友機会が増えて出費がかさむ人もいれば、逆に外出の機会が減り、出費が抑えられる人もいるのが特徴です。

2介護費
老後にかかる費用において、代表的なものが介護費用。総務省が公表したデータによると、80~84歳までの方は25.9%、85歳以上の方は59.8%が要支援もしくは要介護状態になるとされています。要介護状態になると、生活支援を行う介護サービスが欠かせません。高齢になると多くの人が介護保険サービスを受けるため、費用負担が生じます。また、介護度が大きいほど費用負担が重くなり、介護施設へ入所するとさらに費用がかさむのです。
3医療費
高齢になると、体力・筋力の低下など加齢による身体の衰えが生じ、ケガと病気のリスクが増加します。そのため、医療機関にかかる費用が特に必要になるのです。また、高齢における代表的な病気は「がん」。がんは一生のうち、およそ2人に1人が罹るとされています。がんになると入院・手術費だけでなく、長期にわたる継続治療費が必要となるケースも少なくありません。
4住居費
住宅のローンなどが残っている場合、老後も継続的な支払いが必要。賃貸の場合でも、家賃を継続して支払わなければいけません。また、住宅は老朽化するため、働いている際に購入した家は、老後に1~2回のリフォームを要します。さらに、体調によっては介護リフォームを追加で行うことも考えられるのです。
5娯楽費
高齢になると余暇時間が増えるため、娯楽・レジャーなどの費用も増加。旅行及び友人との交流など、現役世代よりも出費が増える傾向があります。特に、60代後半~70代前半には子供が独立して手がかからなくなり、自由に使える時間が増えるため、働いている頃よりも娯楽費が増えていくのです。
6子供や孫への援助費
老後は、教育費がかからなくなる一方、子供の援助、孫のお祝いなどの費用負担が生じます。具体的には、結婚・出産のお祝いや新居購入の援助、孫の世話に関する援助など。月々にかかる費用ではありませんが、子供や孫のライフイベントごとに出費が求められます。子供や孫の年齢に合わせて、援助の費用を準備しておきましょう。
7死後の清算にかかる費用
葬儀代、お墓の購入代などの費用も考えておかなければいけません。葬儀だけで2,000,000円近くかかることも多く、家族に負担をかけないように自分で葬儀費を用意しておく人も多いのです。また、住宅、家具等の物品整理・処分などにかかる費用も外せません。こちらも老後の大きな出費のひとつとされています。

老後の生活費の目安

老後の生活費の管理

老後の生活費の目安は、夫婦2人で1ヵ月に260,000円、単身で160,000円。総務省統計局が2022年(令和4年)に公表した家計調査結果によると、老後において以下の生活費が必要とされています。

  • 夫婦:268,508円
  • 単身:155,495円

なお、老後に1ヵ月にかかる生活費の内訳は以下の通りです。

一人暮らし・夫婦二人暮らしの生活費
費目 一人暮らし 夫婦
二人暮らし
食費 36,915円 67,776円
住居費 14,255円 15,578円
水道
光熱費
14,618円 22,611円
交通・通信費
(自動車など関係費
含む)
15,328円 28,878円
家事費用・衣服費 8,819円 15,374円
教養
娯楽費
14,616円 21,368円
保健
医療費
7,769円 15,681円
その他
(うち交際費)
29,874円
(16,189円)
49,430円
(22,711円)
消費
支出計
142,194円 236,696円
非消費支出計
(税金や社会保険料
など)
11,931円 31,812円
支出計 154,125円 268,508円

個人の生活スタイル、地域によって生活費は変動しますが、およそ150,000~250,000円が必要になります。老後に1ヵ月に支給される年金は、国民年金で約50,000円、厚生年金で約150,000円です。多くの場合、年金収入だけでは生活費を賄えません。不足している分を預貯金、あるいは労働収入で補填したりしているのが実情です。

介護に必要な費用

介護に必要な費用は、在宅介護の場合と介護施設へ入所した場合で異なります。平均的な月々の出費は、在宅介護の場合で1ヵ月に約50,000円、施設介護の場合で1ヵ月に約120,000円です。

在宅介護の場合

せん妄のリスクが高い高齢者

在宅介護の費用相場は、1ヵ月あたり約50,000円。介護保険サービスの自己負担で16,000円、介護サービス費用以外で34,000円が、平均的に必要な費用となっています。

なお、介護保険サービス、介護保険サービス費用以外の支出例は以下の通りです。

在宅介護にかかる費用例
金額
(平均)
サービス内容
介護保険サービスへの
支出
16,000円
  • 訪問介護・訪問看護
  • デイサービス
  • リハビリ
  • ショートステイ
介護保険サービス以外の
支出
34,000円
  • おむつ代
  • 福祉用具のレンタル代
  • 医療費(薬、定期受診、通院費など)

また、在宅介護にかかる費用は、生活支援の必要性を示す「介護度」によって変動します。認知症、寝たきりなど介護に要する時間が長いほど介護度が高く、費用負担も大きいのです。在宅介護における介護度別の月額費用平均は、以下の通りになります。

在宅介護における要介護度別の月額費用
全体平均 50,000円/月
要介護1 33,000円/月
要介護2 44,000円/月
要介護3 60,000円/月
要介護4 59,000円/月
要介護5 74,000円/月

さらに、在宅介護では月々の費用だけでなく、介護リフォーム、介護用品の購入などによる費用の負担が必要。そのため、介護を始めるときに「一時的に必要な出費」が生じ、費用相場は平均で約740,000円とされています。在宅での月々の介護費用は年金などで賄えますが、一時的に必要な費用は、退職金などの預貯金を崩して支払わなければいけません。

施設介護の場合

施設介護の費用とは

施設介護の場合、費用相場は1ヵ月あたり約120,000円です。施設利用料の他に食費、光熱費、管理費、介護サービス費などが別途必要になるため、合計で200,000円ほどかかることもあります。

施設利用料の負担額は施設の種類によって異なり、費用相場は以下の通りです。

施設の種類別 月額利用料金
種類 相場
民間施設 介護付き有料老人ホーム 140,000~300,000円
住宅型有料老人ホーム 90,000~190,000円
サービス付き高齢者向け
住宅
110,000~200,000円
グループホーム 80,000~140,000円
公的施設 ケアハウス 70,000~120,000円
特別養護老人ホーム 100,000~140,000円
介護老人保健施設 90,000~150,000円
介護療養型医療施設 80,000~150,000円

民間施設は、公的施設よりもサービスが充実しているため、月額費用が高い傾向があります。また、民間の場合は立地、居室のグレード、医療体制の充実度などによっても費用が高くなることも。

なお、介護施設へ入所した場合、1ヵ月あたりに必要な総額は以下の通りです。

介護施設の1ヵ月あたりの総額
特別養護老人ホーム 有料老人ホーム
介護サービス費 23,000円 20,000円
居住費 60,000円 115,000円
管理費 0円 100,000円
食費 43,000円 54,000円
その他 10,000円 10,000円
合計 136,000円 299,000円

公的施設である「特別養護老人ホーム」と比較して、民間施設である「有料老人ホーム」では約2倍の費用がかかります。このように、施設介護では介護負担は減少するものの、経済的な負担が大きいのがデメリットなのです。

さらに、施設介護の場合、月額の利用料以外に入居一時金が必要になります。入居一時金とは、施設に入所する際に支払う費用で、施設によっては1,000,000円ほどの支払いが求められることも少なくありません。入居一時金が安い施設もありますが、その分月額利用料が高くなる傾向があります。最初に一時金として支払うか、月額料金で支払うかなど費用の支払い方式を選べる施設が多いため、予算内で検討しましょう

介護問題で起こる介護離職とは

「介護離職」とは、介護と仕事の両立が難しくなり、介護者が仕事をやめてしまうことです。主に40~50代の方に多く、親の介護が必要になったために退職してしまうケースが多くなっています。介護離職では、身体的な負担が軽減できる一方、社会とのつながりがなくなることで孤立し、経済状況が苦しくなることが問題点。介護離職をしないためには、公的な補助制度をうまく活用し、仕事と介護の両立を図るのがポイントです。

介護離職にならないために活用できる制度

介護において職場で活用できる制度は、以下の4つになります。

1介護休業制度

「介護休業制度」とは、家族を介護するために休暇を取得できる制度です。要介護状態の家族ひとりに対して、3回の休暇を通算93日間まで取得が可能。介護休暇は、育児休暇のように長期間の休みが取れます。親の介護準備、退院後で生活支援に手がかかる際に利用すると負担軽減ができるのです。

2介護休暇

「介護休暇」は、介護を目的とした短期間の休暇が取得できる制度。介護が必要な状態にある家族ひとりにつき1年間に5日間まで、休暇を取得できます。介護を行う上では、ケアマネジャー、介護事業所と話し合う際に、付き添いを求められることが多いのです。また、通院が必要な場合、別途付き添うことも。付き添いのたびに有給休暇を取得していると、取得可能な日数が不足してしまうケースは少なくありません。そこで、介護休暇を利用すれば、付き添いを要する事態にも対応できます。有給休暇の不足による欠勤、代替出勤のリスクを軽減することが可能なのです。

3時間外労働の制限

「介護休業法」によって、介護を行う従業員の時間外労働は制限されています。企業は該当する従業員に対して、1ヵ月につき24時間、年間150時間以上の時間外労働をさせてはいけません。

実際に利用されることが多いケースは、介護が始まった直後。特に退院後は被介護者の状態が不安定なことも多く、家族も介護に慣れていないため、多くの時間を割かなければいけません。この制度を利用すると、一定期間仕事を制限できるため、身体的、精神的な負担を防げます。

4介護休業給付の支給

「介護休業給付」とは、介護休暇を取得した際の経済的な負担を軽減するために支給されるものです。介護のために休暇を取得した際、一定の条件を満たしていれば、賃金の約7割が支給されます。介護をする際は身体的な負担だけでなく、様々な費用負担によって生じる精神不安も大きいのです。介護休暇の際に、賃金の一部を保障される介護休業給付は、精神的な負担を軽減する効果も期待できます。

高齢者の入院費は?

高齢者の入院費用の実情

高齢者の入院費はいくらか

高齢者が入院の際にかかる費用は1ヵ月あたり100,000~200,000円です。入院すると医療費の自己負担額以外に、1日3回の食事代、ベッド代、薬代などがかかります。

費用負担の金額は、入院している期間、所得によって異なり、2022年(令和4年)の調査で公表された、自己負担額の割合は以下の通りです。

入院時における1ヵ月あたりの
自己負担額の割合
入院時の自己負担額 割合(%)
50,000円未満 9.4
50,000~100,000円未満 26.5
100,000~200,000円未満 33.7
200,000~300,000円未満 11.5
300,000~500,000円未満 10.1
500,000~1,000,000円未満 5.8
1,000,000円以上 3.0

治療などにかかる医療費は70歳未満の人は3割、70歳から74歳までの人は2割、75歳以上の人は1割と決められています。自己負担額の上限が決まっているため、一般的な所得の高齢者の場合は、50,000円前後。また、手術においても高額な治療費がかかりますが、公的制度により自己負担額を抑えられます。なお、治療費以外に支払う費用は以下の通りです。

1食費

入院中の食費は医療保険の対象外なので、医療費とは別に支払わなければいけません。病院で提供される食費の負担額は全国一律で、1食あたり460円。1日3回の食事をすると、1日当たり1,380円の食費がかかります。1食ごとに費用負担を要するため、入院日数が長引くほど料金は高額に。脳卒中や骨折による入院の場合、入院期間は1~3ヵ月かかることも少なくないため、多めに費用を見積もっておくことが重要です。

2差額ベッド費
入院室は通常、4人1組の大部屋ですが、個室、2人部屋などを選択すると「差額ベッド費」が発生します。差額ベッド費は個室、2人部屋に変更した場合、5,000円前後が相場です。なお、大学病院や大規模な病院などで個室を選択した場合、10,000円以上の差額ベッド費がかかることもあります。
3その他の生活費
入院中は、医療費以外に生活を送るための日用品に関する費用も発生。他にも、娯楽に関連する費用がかかることもあります。日用品などの生活費は治療に関係ないため、公的医療保険の対象にならず、全額自己負担で支払わなければいけません。
4公的医療保険外の治療費

先進医療のような公的保険対象外の治療を行うと、追加で費用負担が必要になります。特に、がん治療では保険の対象外となる先進治療があり、希望した場合は高額な支払いを求められるケースが多いのです。また、予防注射、健康診断などを入院中に行った場合も公的医療保険の対象外になるため、全額自己負担になります。

5コルセットや装具などの作成費
骨折、脳卒中が原因で入院すると、身体の動きをサポートするコルセット、装具を作成しなければいけません。装具の作成費用は保険適用になりますが、役所の窓口で還付する形式を取っているため、入院時には一度全額自己負担になります。種類によっては数万円以上する物もあるため、費用を準備しておきましょう。

なお、高齢者が入院にかかる費用例として、70歳以上の方が2週間入院する際に必要な費用総額は以下の通りです。

70歳以上の方が2週間入院した際の
費用総額例
項目 金額
医療費(自己負担分) 57,600 円
食事代 19,320円
差額ベッド代
公的保険対象外の治療費
その他・生活費 20,000円
合計 91,920円

個室を選ばず、特別な治療も行わなければ、100,000円前後の費用負担で済みます。上記の項目以外に持病の薬など、入院目的となった治療と関連のない処方があった場合は、別途費用負担が必要です。また、脳卒中や骨折で入院した場合、短期間の入院では治療が終わらないため、別の病院に転院して治療しなければいけないことも。転院した場合は移動先の病院にて、再度医療費や雑費の支払いが求められるのです。

入院費・医療費を節約する制度

高齢者は年金以外の収入源が少なく、入院費や医療費は経済的な負担が大きいとされます。この負担を軽減する制度として、①「高額療養費制度」、②「医療費控除」が存在。これらの制度について解説します。

1高額療養費制度

高額療養費制度とは、医療機関及び薬局で支払った額が、1ヵ月間の上限を超えた場合、超過した金額が払い戻される制度です。手術や長期入院を伴うケガ、病気になった際は、自己負担額が1~3割としても多額の医療費がかかります。高額療養費制度を利用すると一定の金額まで費用負担を軽減が可能です。

なお、入院の際にかかった費用でも、一部高額療養費制度の対象にならない項目がある点には要注意。差額ベッド費、食費など公的医療保険の適用にならない項目は、高額療養費制度の対象外です。高額療養費制度の対象になる項目を覚えておき、対象外の費用を抑えると、入院費の節約につながります。

2医療費控除

医療費控除とは、年間でかかった医療費に応じて確定申告の際に所得税、住民税の控除が受けられる制度です。医療控除を受けると税金を支払う金額が減り、結果的に入院費及び医療費の節約につながります。なお、医療費控除の対象例は以下の通りです。

  • 医療機関での診療や治療にかかる費用
  • 薬局での薬の購入費用
  • 歯科治療や矯正治療にかかる費用
  • 入院治療に伴う食事や宿泊費用
  • 特定の障害者にかかる医療費

また、入院費、医療費以外に介護サービスの自己負担額、おむつ代なども、医療費控除の対象になる可能性があります。医療費控除になるか分からない費用がある場合は、税務署や市役所まで相談してみましょう。

退職までにお金を準備する方法

「老後破産」を避けるためには、入院や介護にかかる費用を退職までに準備しておかなければいけません。

家計費を見直す

老後の資金を貯めるには、まず家計費を見直しましょう。具体的に見るポイントは、以下の通りです。

1固定費を見直す

居住費、保険料などの固定費は毎月出ていくお金なので、一度見直すと継続した節約が可能になります。老後の介護費用を準備するには、以下の固定費を見直しましょう。

固定費の見直し方法
費目 見直し方法
保険料
  • 保障、特約をシンプルなものへ
  • 不要な保険の解約を検討
通信費
  • 携帯電話の料金プランを変更
  • 固定電話の解約を検討
居住費
  • 家賃の安い物件へ
  • 公営住宅へ住み替え
  • 高齢者向け優良賃貸住宅に住み替え
  • 住宅ローンの借り換えを検討

特に保険料や通信費は、数年前に契約した内容よりも、安くて良質になっていることがあります。契約変更に必要な手続きが複雑な項目は、家族に相談しながら進めていくのがおすすめです。

2食費や交際費などを抑える

食費は高齢者の消費支出の中でも大きな割合を占めています。健康に生活していくために、食事は不可欠ですが、無駄な買い物をしないように要注意。特に高齢者の場合は、食事の摂取量が減っているにもかかわらず、無駄に買い溜めてしまい、結果的に捨ててしまうことは少なくありません。買い物の回数を減らす、買い物リストを作成するなどの対策が効果的。

また、時間的余裕ができる老後の生活では、友人達との食事など交際費が増加する傾向があります。友人との交流は大切ですが、交際費の使い過ぎには要注意。会う回数を減らしたり、なるべく費用がかからない場所に出かけたりして、交際費を抑えましょう。

3車の処分を検討する
車の処分も高齢世帯が実践できる節約方法のひとつ。自動車は保有しているだけで維持費が発生し、家計を圧迫しやすいです。普段の生活に困らない場合は、車の処分を検討しましょう。通院、特別な外出のときは、電車やバス、タクシーなどの公共交通機関を利用するのがおすすめです。交通費がかかりますが、車を所有しているときよりも結果的に安く収まる可能性があります。

資産運用

資産の相談をする

老後の資金を蓄えるためには、「資産運用」を行うのもおすすめ。預貯金よりも資産が長持ちしやすく、物価上昇などにも対応しやすくなります。資産運用は時間があるほど、多くの金利を得られるため、早めに始めておくのが重要です。なお、資産運用の代表的なものとして「個人年金保険」、「iDeCo」、「つみたてNISA」などがあります。

個人年金保険

個人年金保険は、貯蓄型保険のひとつです。老後に必要な生活資金に対し、公的年金に上乗せ補完する目的があります。毎月保険料を一定年齢まで払い込み、受取開始時期になると、一定期間または終身にわたって年金形式または一括で受け取りが可能です。

iDeCo

iDeCoとは、資産運用をしながら個人年金を作れる制度。毎月一定の金額を拠出して、老後の資金を積み立てます。積み立てた資産は株式、債券、投資信託などを用いて資産運用されるのが特徴です。また、iDeCoは掛金、受け取り時の年金に税制上の優遇を受けられるのがメリット。他の手段で資産運用をした場合よりも、税金で引かれる金額が少なくなります。

つみたてNISA

つみたてNISAは、少額からでも運用可能な投資方法です。長期にわたって積み立てられる投資信託で、特定の条件内であれば運用利益は非課税制度になります。ひとり1口座開設でき、毎年400,000円の上限で一定の買い付けが可能。投資で得た収益に対して一定の税金がかかりますが、つみたてNISAでは20年間、非課税で受け取れます。

さらに、2024年(令和6年)から新制度による、つみたてNISAがスタート。年間投資上限が1,200,000円に増大し、非課税期間が無期限に変更されます。少額からでも始められるので、家計費を見直して余裕ができた分だけでもつみたてNISAを行ってみましょう。

まとめ

老後生活にかかる費用は多様で、基本的な生活費以外に介護・医療費が必要です。特に、介護や入院にかかる費用を理解しておくのが重要。また、いざというときに活用できる制度を知っておくと、不測の事態に備えられます。さらに、余計な支出を削るために家計簿を見直し、ときには資産運用を活用して資金を増やしていくのも大切です。老後に必要な費用を理解して早めに準備をすることで、資金に困らないようにしましょう。

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