文字サイズ
標準
拡大

history閲覧履歴

メニュー

老人福祉施設とは?種類や違いを分かりやすく解説

老人福祉施設とは、高齢者の心や体の健康、生活の安定を図る目的で設置された施設のことです。高齢者になると、老人福祉施設など各種施設でサポートが必要になるケースは少なくありません。しかし、施設にはどのような種類があるのか、入居基準やサービスの違いなどがよく分からない方が多いのではないでしょうか。老人福祉施設の種類、特徴、他の施設との違いを解説します。

老人福祉施設の種類

老人福祉施設とは

老人福祉施設の種類は「老人福祉法」で規定されており、主に次の7つが挙げられます。

  • 介護老人福祉施設
    (特別養護老人ホーム)
  • 養護老人ホーム
  • 軽費老人ホーム
  • 老人デイサービスセンター
  • 老人短期入所施設
  • 老人福祉センター
  • 老人介護支援センター

老人福祉施設の特徴

老人福祉施設の種類によって利用目的や、条件が異なるため、大まかな特徴を把握しておきましょう。以下、老人福祉施設の種類と特徴です。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

老人福祉施設の特徴

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、「特養」とも呼ばれる施設。入居者様が可能な限り在宅復帰できるように、日常生活上の支援や機能訓練などを提供します。

老人福祉法に規定された施設でありながら介護保険法が適用されているため、利用料は比較的低額です。

入居対象者は、寝たきりや認知症など、常時介護が必要な要介護3~5の認定を受けている65歳以上の高齢者。入居者様の定員が29名以下の施設は「地域密着型介護老人福祉施設」と呼ばれます。

養護老人ホーム

養護老人ホームは、経済的な理由から、自宅での生活が困難な65歳以上の高齢者を養護する施設。自立して生活が送れる高齢者の他にも、低所得で身寄りがなく、居宅生活が困難な人も入居対象です。施設では、食事や日常生活上の支援を受けることができます。

軽費老人ホーム

軽費老人ホームは「ケアハウス」とも呼ばれ、無料または低額で、食事や生活に必要なサービスが付いた個室を提供する施設です。入居対象者は、自宅での生活に不安があるものの、比較的自立している60歳以上の高齢者となっています。サービスによって、以下3種類に分けられます。

  • A型:食事サービス付き
  • B型:自炊
  • C型:食事・生活支援サービス付き

老人デイサービスセンター

老人デイサービスセンターは、要介護状態にある65歳以上の高齢者を対象とした、日帰り(通所)の介護施設です。送迎、入浴、食事サービス、機能訓練やレクリエーションなどの支援を受けることができます。

老人短期入所施設

老人短期入所施設は、居宅での介護を受けていた65歳以上の高齢者が、一時的に介護を受けられなくなった場合に短期間入所できる施設です。家族の出張や冠婚葬祭、精神的負担などの理由で入居するケースが多く、「ショートステイ」とも呼ばれています。施設では介護や機能訓練を受けることが可能です。

老人福祉センター

老人福祉センターは、60歳以上の高齢者を対象に、無料または低額で利用できる施設のこと。機能や規模に応じて、次の3つの種類に分けられます。

  • A型:生活相談や健康相談、老人クラブの援助など
  • 特A型:A型の目的に加え、保険・健康増進部門を強化したもの
  • B型:A型、特A型を補完する、比較的小規模なもの

老人介護支援センター

老人介護支援センターは、自宅で暮らしている高齢者と家族に専門的な情報を提供し、相談や指導などのサポートを行う機関です。「在宅介護支援センター」とも呼ばれています。福祉事業者などの各機関と連絡調整が行われており、利用者はニーズに応じたサービスを受けることが可能です。

老人福祉施設と他施設の違い

老人福祉施設と似た施設には、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などが挙げられます。ここでは、各施設の違いについてまとめました。

老健、介護医療院との違い

介護保険法に基づく「介護保険3施設」は、老人福祉施設である特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院のことを言います。ここでは、それぞれの違いを、以下の表にまとめました。

特養、老健、介護医療院の違い
特別養護
老人ホーム
(特養)
介護老人
保健施設
(老健)
介護医療院・
介護療養型
医療施設
基本的性格 要介護高齢者のための生活施設 要介護高齢者にリハビリなどを提供し、在宅復帰をめざす施設 医療の必要な要介護高齢者を介護するための長期療養施設
設置主体 地方公共団体
社会福祉法人
地方公共団体
医療法人
地方公共団体
医療法人
入居
対象者
自立 × × ×
要支援 × × ×
要介護 要介護度3
以上
入居時費用 不要
月額費用
(目安)
6~15万円
程度
6~17万円
程度
6~15万円
程度
定員
従来型 原則個室 4人以下 4人以下
ユニット型 原則個室
付帯
サービス
食事
緊急時
の対応
介護
医師の配置 必要数
(非常勤可)
常勤1人以上
(入居者様
100に対し、
1人以上)
3人以上
(入居者様
48人に対し、1人以上)

介護老人保健施設(老健)は、病院に長く入院していた人が、在宅復帰を目指すための施設。老人福祉施設とは違い、看護、医学的管理のもと、介護ケアや機能訓練を受けられます。あくまで、家庭復帰のためのリハビリが目的です。

介護医療院は、要介護状態で医療的ケアを必要とする人が長期的に入居する施設。老人福祉施設との大きな違いは、医療ケアを必要とする点です。他にも、入浴、食事、排泄などの介護サービスの両方を受けられます。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、老人福祉法に規定される高齢者の心や体の健康を保つための施設です。要介護者向け、自立している高齢者向けなど、設置の主体によって種類が分かれています。

しかし、入居対象者は法律上高齢者とされており明確な定義がありません。老人福祉施設とは異なり民間企業などにより運営されています。受けられるケアは、入浴、食事、排泄介助などのケアや、洗濯、掃除などの家事、健康管理などです。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

老人福祉と他施設の違い

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者住まい法に規定される高齢者のための住居です。以下のいずれかに該当する単身や、夫婦世帯が入居対象者と定められています。

  • 60歳以上の人
  • 要介護・要支援認定を受けている60歳未満の人

なお、サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者が安心して暮らすための生活支援サービスが付いたバリアフリー構造の住宅です。老人福祉施設と違って、入居後に症状が重くなった場合は退去を求められるケースがあります。

ページトップへ
ページ
トップへ