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在宅介護で感じる家族の負担とは?負担軽減に役立つ支援も紹介

在宅介護で生じる家族の負担には、様々な種類があります。動作介助による身体的な負担に限らず、精神的、経済的な負担など、考慮しなければならない問題が山積みです。在宅介護の負担が続くことで、仕事を続けられなくなったり、介護うつになったりするケースは少なくありません。在宅介護で感じる家族の負担を軽減するためには、適切な準備と対処法を知っておくことが重要です。

在宅介護で起こる家族の負担

在宅介護をする女性

在宅介護では、家族に様々な負担が生じます。生活動作の介助による身体的な負担から、精神面や経済面のストレスまで、想定される負担の種類は様々です。

在宅介護で生じる家族の負担について、3つの項目に分けて解説します。

身体的負担

在宅介護の大きな問題のひとつは、介護による身体的負担です。在宅介護では、被介護者の日常生活動作に多くの介助が必要になります。在宅介護で主に必要となる介助は、以下の5つです。

  1. 1トイレ介助
  2. 2入浴介助
  3. 3食事介助
  4. 4洋服の着替え
  5. 5通院など外出の付き添い

介助の内容によっては、被介護者の身体を動かしたり、持ち上げたりする必要があります。自分よりも体格が大きい人を介助する場合は、より身体的負担が大きく、トイレや入浴介助によって、足腰を痛めてしまう人は少なくありません。

また、在宅介護では、夜間の介助や、日中の通院・外出の付き添いなども必要です。常に介護に追われてしまい、十分な休息が取れないため、身体的な負担につながります。在宅介護では、他の家族の協力や、介護サービスを活用して、身体的負担を軽減する工夫が重要です。

精神的負担

在宅介護では、介護する家族の精神的な負担も大きくなります。介護が必要になると、自分のやりたいことをする時間や、気分転換する時間が取れないことなどが原因です。例えば、在宅介護では、被介護者がいつ転倒したり、介助が必要になったりするか分かりません。夜間もトイレ介助などに追われてしまい、24時間気が休まらないケースも多くあります。

さらに、認知症を発症している方の介護では、コミュニケーションをうまく取れずに苦しむことも。お互いの主張がぶつかると、精神的なストレスにつながります。

在宅介護はいつまで続くか分からないため、介護者の精神面のケアも大切です。デイサービスやショートステイなどのサービスを活用して、気分転換する時間を確保しましょう。

経済的負担

在宅介護では、経済的な負担も生じます。在宅介護で利用するサービスは、介護保険で全額まかなえる訳ではなく、一部自己負担が必要です。在宅介護に伴う離職などで収入が減少している介護者にとっては、介護サービスの利用は経済的不安の増大につながります。

介護サービス以外にも、オムツや除菌シートのような消耗品の購入も必要です。さらに、住宅改修や福祉用具の購入をする際は、一時的に多額の費用負担が求められることもあります。

各自治体における支援制度の活用や、介護サービスの調整などによって、経済的な負担を軽減する工夫が重要です。

在宅介護で負担が続くと起こること

在宅介護はいつまで続くか分からないため、介護による負担とうまく付き合っていく必要があります。負担が原因で起こる問題を理解しておくと、事前に対策が可能です。

介護する家族が倒れてしまう

身体的な負担に限らず、在宅介護を行う方には大きなストレスがかかります。長期にわたって介護のストレスにさらされ続けると、介護疲れで倒れてしまう可能性もあるのです。

特に、高齢者同士で介護を行う「老老介護」の場合は要注意。身体介助や在宅介護に必要なケアは、高齢者にとって負担が大きく、疲労によって倒れてしまうリスクが高まります。介護者が倒れてしまうと、在宅介護を続けられません。

在宅介護による負担が続くときは、介護サービスや公的制度の活用がおすすめです。ケアマネジャーのような専門家に相談し、介護サービスをうまく活用して、介護者が倒れないような配慮が求められます。

「介護離職」になってしまう

在宅介護による負担が続いた結果、仕事に支障が出てしまい、介護離職につながるケースも珍しくありません。介護離職とは、介護をする側の人が、仕事と介護の両立が困難となり、仕事を辞めて在宅介護に専念することです。

介護離職は、介護者の経済的な不安の増大や、社会参加の機会減少につながるため、在宅介護における大きな問題となっています。

介護離職によって、収入が減ったり、外部の人と話す機会が減ったりすると、介護うつになってしまうことも。そのため、可能な限り仕事を続けながら、在宅介護を継続できる環境の調整が必要です。介護離職を選択する前に、企業ごとに定められている介護休暇などの支援制度が使えないかを確認してみましょう。

在宅介護の負担を軽減する方法

在宅介護を続けていくためには、介護者の負担軽減が必要です。在宅介護の負担を軽減する方法を見ていきましょう。

地域包括支援センターやケアマネジャーに相談する

自宅訪問するケアマネジャー

在宅介護の負担を軽減するには、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談するのがおすすめです。

地域包括支援センターの担当者やケアマネジャーは、介護に関する専門家。在宅介護の不安や悩みを相談すると、専門的なアドバイスがもらえます。例えば、利用可能な新しい介護サービスや公的制度を紹介してもらうことで、介護負担を軽減することが可能です。

在宅介護を行うなかで、介護者が不明に感じる点は数多く出てきます。在宅介護で困ったら、ひとりで負担を抱え込まず、専門家へ相談しましょう。

介護保険サービスを利用する

介護保険サービスの利用も、在宅介護の負担を軽減するのにおすすめな方法です。介護保険サービスでは、在宅介護において身体的負担となる、入浴や外出の付き添いなどの支援を受けられます。例えば、入浴の介助が困難になったケースでは、訪問入浴サービスを利用して、介護者の負担を軽減可能です。

在宅で受けるサービスだけでなく、通所施設の利用も負担軽減につながります。例えば、デイサービスは、食事介助や入浴介助などの生活支援を提供する施設です。デイサービスを利用すれば、介護から離れられる時間を確保できます。在宅介護においては、積極的に介護保険サービスを利用して、負担を軽減する工夫が大切です。

施設への入居を検討する

在宅介護での負担を軽減するために、施設への入居を検討する方法もあります。施設介護では、入浴や食事など身の回りの介助を介護スタッフが行ってくれるため、家族の負担を軽減することが可能です。介護施設の具体例として、以下のような場所が挙げられます。

  1. 有料老人ホーム
  2. サービス付き高齢者向け住宅
  3. 特別養護老人ホーム
  4. 介護老人保健施設

他にも様々な種類があり、施設ごとに特徴が異なります。施設への入居を検討するときは、被介護者の希望や状態に合った施設を探しましょう。最適な施設を探すには、専門的な知識が必要になるため、ケアマネジャーに相談するのがおすすめです。

まとめ

在宅介護は、介護する家族に大きな負担が生じます。生活介助による身体的負担から、終わりが見えないことによる精神的な負担、介護費用による経済的負担まで、その種類は様々。在宅介護は、介護者の健康や仕事への影響が大きく、介護を続けるには適切な支援が必要です。専門家による支援や、介護サービスの活用が負担軽減のポイント。家族が健康で介護を継続できるよう、包括的な支援が求められます。

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