保険アドバイザーから見た介護・医療
第10回入居者集めもコンサルが必要に
費用負担が入居者の悩みに
入居希望者はお金の事が心配
有料老人ホーム等の高齢者施設に入居しようと希望している人の多くは、入居一時金や毎月の利用料を払えるかなど、お金に関する不安を持っています。筆者はファイナンシャルプランナーとして相談業務もおこなっておりますが、「老後いくらお金があれば生活していけるか?」という相談をたくさん受けます。
資産に余裕がある人は問題ありませんが、多くの人は長年住んでいた家を処分して入居一時金を確保し、公的年金等で毎月の利用料を払っていくことになります。しかし、昨今の不動産市況では家が想定していた価格で売れる保証はなく、公的年金もなかなか当てにできる時代ではなくなってきています。
料金表を見ても判断できない!?
高齢者施設のホームページ等を見てみると、「入居時に必要な費用」や「毎月の利用料」の案内はきちんとしてありますが、大概の人は料金表を見ても金額が大きすぎて支払えるのかどうかの正しい判断ができないものです。
普段の買い物ならお財布に入っているお金の範囲で済ませれば問題ないでしょうが、入居一時金はお財布に入っているお金以上の買い物になるし、入居後も継続的にお金が必要になるので、費用の全体像を把握しづらいからです。また、自分自身の資産がいくらあるか把握していない人が非常に多いのです。
入居率や満足度アップにコンサルティングは不可欠
どんなに素晴らしい施設であっても、入居希望者のお金に対する不安を取り除いてあげないと入居への決断は下せない
このような状況下において、施設が入居者を募っていくには、他よりも施設の各サービスが充実していて、入居者にとって居心地が良い事は勿論ですが、それに加えてお金についても安心できる提案や相談体制の整っていることが不可欠になります。
どんなに素晴らしい施設であっても、入居希望者のお金に対する不安を取り除いてあげないと入居への決断を下せません。
不安を取り除く事で、入居が可能な人でも金額的大きさから感覚的に無理と諦めてしまったり、入居後に資金不足となってしまったりすることを回避できるようになります。
入居希望者のお金に関する不安を取り除いてあげるには、入居希望者の資産内容等の現状を把握し、今後のライフプラン等の意向を酌んで相談にのる事が重要です。そして入居一時金や毎月の利用料を払っていけるかどうかの確認作業を一緒にし、お金に関する不安を取り除く事で、安心して入居してもらうことが可能になります。
次回、誰がどのようにコンサルティングをしていけば良いか具体的に解説していきます。