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介護保険と介護にかかわる仕事
日本には要支援や要介護認定された場合に、治療や介護にかかる費用が支援される「介護保険制度」があります。40歳以上の方は介護保険に加入しなければなりません。また、一口に「介護」と言っても、介護にかかわる仕事は多種多様。高齢者の介助を行う仕事、介護計画を作成する専門家など、様々な種類の職業の方が介護に携わっています。
「介護保険と介護にかかわる仕事」では、介護保険制度と介護に関する仕事を詳しくまとめました。介護保険の仕組みや適用できるサービス、さらにケアワーカーやソーシャルワーカーといった職業についてご紹介しています。介護保険について基本から知りたい、介護に関する仕事を詳しく調べたいという方にピッタリです。
目次
-
1.
介護保険の仕組みを知ろう
- 1.1 公的介護保険と民間介護保険
- 1.2 介護保険料の徴収方法
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2.
介護保険の申請から認定まで
- 2.1 1.申請書を提出します
- 2.2 2.認定調査を受けます
- 2.3 3.介護認定審査会による審査をします
- 2.4 4.認定通知結果が送付されます
- 2.5 介護認定における注意事項
-
3.
介護保険適用サービスの対象者
- 3.1 要介護認定基準について知ろう
- 3.2 要介護度の状況と要介護認定等基準時間
- 4. 介護保険が適用されるサービス
- 5. 地域別加算表、地域区分一覧
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6.
認知症の種類
- 6.1 認知症は病原など人によって様々な種類がある
- 6.2 変性性認知症
- 6.3 脳血管性認知症
- 6.4 その他の認知症
-
7.
認知症の症状と対応
- 7.1 認知症の中核症状と周辺症状
- 7.2 アルツハイマー型認知症の症状
- 7.3 脳血管性認知症の症状
- 7.4 レビー小体型認知症の症状
-
8.
民間の介護保険について
- 8.1 民間介護保険が注目される理由
- 8.2 民間介護保険はどう支払われる?
- 8.3 民間介護保険の選び方
-
9.
地域包括ケアシステムについて
- 9.1 今後の高齢化社会について
- 9.2 地域包括ケアシステムの5つの要素
- 9.3 地域包括ケアシステムで変わること
-
10.
地域包括ケアシステムの取り組みと今後
- 10.1 各自治体の主な取り組み事例
- 10.2 今後の地域包括ケアを担う「地域包括支援センター」の存在
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11.
ホームヘルパー、行動援護従業者など
- 11.1 ホームヘルパーの仕事
- 11.2 ガイドヘルパーとは
- 11.3 行動援護従業者
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12.
ケアマネージャー
- 12.1 ケアマネージャーの主な9つの業務
- 12.2 良いケアマネージャーの探し方
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13.
ケアワーカー(介護福祉士)
- 13.1 ケアワーカーの主な仕事
- 13.2 家族へのケアも重要な仕事
- 13.3 ホームヘルパーとの違い
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14.
ソーシャルワーカー
- 14.1 社会福祉士と精神保健福祉士
- 14.2 社会福祉士・生活相談員の仕事内容
- 14.3 いろいろな呼び方のある「ソーシャルワーカー」
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15.
介護事務管理士・ケアクラーク
- 15.1 介護事務管理士とケアクラークの違いとは
- 15.2 介護事務管理士になるには
- 15.3 ケアクラークになるには
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16.
介護保険事務士
- 16.1 介護報酬請求の仕組み
- 16.2 介護保険事務士の役割
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17.
介護サポーター
- 17.1 介護予防の重要性
- 17.2 地域によって特色のある介護サポーター
- 17.3 介護サポーターを目指すことが介護予防に
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18.
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
- 18.1 身体の動きに関するエキスパート「理学療法士」
- 18.2 こころの治療も行なう「作業療法士」
- 18.3 言葉・食事に関するリハビリのプロ「言語聴覚士」
-
19.
福祉住環境コーディネーター
- 19.1 「福祉住環境コーディネーター」とは
- 19.2 福祉住環境コーディネーターが誕生した経緯
- 19.3 福祉住環境コーディネーターの仕事内容
介護保険の仕組みを知ろう
公的介護施設である「介護老人福祉施設(老人福祉法に規定された入所定員30人以上の特別養護老人ホーム)」などの施設に入所するには「介護保険」に入っていることが前提とされます。そのため、高齢者本人や家族は、介護保険に加入しておく必要があります。では、介護保険とはどのような制度なのでしょうか。
公的介護保険と民間介護保険
介護保険は、介護が必要な高齢者に対して、治療や介護にかかる費用を市区町村が支援するための保険制度です。この費用は、治療費や福祉施設利用料に加えて、家族介助についても支援される場合があり、高齢者本人はもちろん家族にもかかわってくる保険制度と言えます。
介護保険は一般的には国が定めた「介護保険制度」のことを指しており、40歳以上の人は被保険者として加入の義務があります。介護保険制度では、65歳以上を「第1号被保険者」、40歳から65歳未満の医療保険加入者を「第2号被保険者」と呼び、介護サービスを受けることができます。ただし、40歳から65歳未満の方は、特定の疾病により介護が必要と認められた場合に限ります。
一方、民間の介護保険は、各保険会社によって加入条件の年齢は異なりますが、その分、20歳代から加入できる保険もあります。
また、保険が適用された場合の給付については、公的介護保険は介護サービスによって受けるのに対し、民間介護保険では、介護一時金や介護年金といった形で現金による給付となることがほとんどです。
介護保険料の徴収方法
介護保険制度では、40歳以上の人に介護保険料を納める義務を課していますが、年齢によって介護保険料は、40~64歳と、65歳以上で変わってきます。また、介護保険料は介護保険法によって3年ごとに見直しされることになっています。
40歳~65歳未満の人の介護保険料
会社員の人の場合は、健康保険料と同様に給与やボーナスから自動的に徴収されます。また加入している医療保険とあわせて徴収される他、収入や加入している保険などによって徴収額が変わります。国民健康保険に加入している場合は、世帯主から世帯全員分が国民健康保険料と合わせて徴収されます。
65歳以上の人の介護保険料
65歳以上の人は第1号被保険者として、65歳の誕生日の前日より徴収されます。65歳以上の人は、勤めをリタイヤしている場合が多いため、「特別徴収」と「普通徴収」の2つに分かれます。「特別徴収」は、年金によって徴収額が変わります。年金には老齢年金の他にも退職年金、障害年金、遺族年金などがあり、これら年金から月18万円以上もらっている場合には、年金から介護保険料を天引きされます。また、「普通徴収」は、「特別徴収」の条件に当たらない人の場合に適用されます。年金を十分に受けていない人も対象とし、納付書または口座振替書が送付されます。
介護保険の申請から認定まで
介護保険制度を利用して給付を受けるには、介護が必要な状態であることを公的に認定してもらわなければいけません。これを「要介護認定」と呼びます。要介護認定を受けるには、要介護者が住む市区町村など自治体や広域連合に申請する必要があります。ここではその流れについて解説します。
1.申請書を提出します
まずは、介護が必要としている人の住む市区町村の役所もしくは支所に行きます。役所には「介護保険課」(名称は各役所によって異なります)などの介護保険の担当部署があるので、そこで「介護保険 要介護認定・要支援認定申請書」をもらいます。各役所によっては、申請書をホームページからダウンロードできる場合もあります。申請用紙の記入後、介護保険被保険者証や健康保険被保険者証(第2号被保険者の場合のみ)、申請者の印鑑(同居以外の者が申請する場合のみ)、主治医の氏名、医療機関の名称・所在地が分かるものを担当窓口に提出します。本人や家族による申請ができない場合でも、各市区町村に設置されおり、高齢者の相談・支援を行なっている地域包括支援センターや指定居宅介護支援事業者などで、申請を代行してもらうこともできます。
2.認定調査を受けます
認定調査は、自宅や、すでに入所している場合は自治体などから委託を受けた介護支援専門員(ケアマネージャー)が家庭、もしくは施設に訪問し、心身の状況についてヒアリング、調査をします。ヒアリングは身体動作の様子や日常の介助状況、物忘れの度合いや心の安定など74項目程についてヒアリングします。また、主治医に健康状況などについての意見書を作成してもらいます。
3.介護認定審査会による審査をします
認定調査の結果や主治医の意見書をもとに「介護認定審査会」が開かれ、介護の必要性やその程度、期間などについて審査・判定します。認定調査の結果は主にコンピュータによる判断となりますが、調査員による詳細な報告と合わせて判断する自治体などもあります。
4.認定通知結果が送付されます
介護認定審査会の結果は、被保険者に郵送で送付されます。
認定の区分は、「非該当(自立できる)」、「要支援1・2」、「要介護1~5」に区別されており、「要支援」または「要介護」の認定を受けた人にのみ被保険者証が交付されます。また、この通知は介護認定審査会が開かれてから30日以内に通知されます。
介護認定における注意事項
介護認定を受けた人には、被保険者証が交付されますが、この保険証の有効期間は原則6ヵ月となっています。そのため、介護を長期的に受ける必要のある人は、そのつど、更新申請を行なう必要があるので忘れないようにしましょう。更新の手続きは、有効期間終了日の60日前から行なうことができます。また、審査の結果について不服のある場合、再審請求を行なうこともできます。
介護保険適用サービスの対象者
介護保険が適用される人は、厚生労働省が定める「要介護認定」、「要支援認定」によって受けられる介護サービスが異なります。このため、これから入居を考える方は、自分が受けられる(対象となる)サービスを知っておくことが大切です。
要介護認定基準について知ろう
介護保険制度では、寝たきりや痴呆等で常に介護を必要とする状態(要介護)になった場合に、介護サービスを受けることができます。要介護に当たるかどうか、また要介護にあるとすればどの程度か判定を行なうのが要介護認定であり、保険者である市町村に設置される介護認定審査会で判定されます。要介護認定は、認知症の度合いについて考査する「痴呆性高齢者指標」を加味して認定されます。これらの基準に基づき、要支援度や要介護度が決まります。
要介護度の状況と要介護認定等基準時間
要介護認定基準時間は、介護に要する時間を一定の統計結果に基づき、5項目ごとに基準化しています。以下の表では、要介護度別にその状態と要介護認定基準時間についてまとめていますので、参考にして下さい。
<要介護認定基準の分類>
- 直接生活介助
- 入浴、排せつ、食事などの介護
- 間接生活介助
- 洗濯、掃除等の家事援助等
- 問題行動関連行為
- 徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末など
- 機能訓練関連行為
- 歩行訓練、日常生活訓練などの機能訓練
- 医療関連行為
- 輸液の管理、じょくそうの処置など診療の補助
<要介護認定基準時間>

フリックによる横スライド仕様となります。
| 区分 | 要介護度 | 介護認定における状態 |
|---|---|---|
| - | 非該当 | ●要介護認定等基準時間が、25 分未満 ●第 2 号被保険者(40 歳以上 64 歳未満)で特定疾病(16疾病)に該当しない場合。 ※心身の状態が介護を必要とするかどうかにかかわらず、保険給付の対象外になります。) |
| 【要支援状態】 日常生活上の基本的動作については、ほぼ自分で行なうことが可能であるが、日常生活動作の介助や現在の状態の防止により要介護状態となることの予防に資するよう手段的日常生活動作について何らかの支援を要する状態 |
要支援1 | 要介護認定等基準時間が、25 分以上 32 分未満である状態またはこれに相当すると認められる状態 |
| 要支援2 | 要支援状態のうち、要介護認定等基準時間が、32 分以上 50 分未満である状態またはこれに相当すると認められる状態 | |
| 【要介護状態】 日常生活上の基本的動作についても、自分で行なうことが困難であり、何らかの介護を要する状態 |
要介護1 | 要介護認定等基準時間が、32 分以上 50 分未満である状態またはこれに相当すると認められる状態 |
| 要介護2 | 要介護認定等基準時間が、50 分以上 70 分未満である状態またはこれに相当すると認められる状態 | |
| 要介護3 | 要介護認定等基準時間が、70 分以上 90 分未満である状態またはこれに相当すると認められる状態 | |
| 要介護4 | 要介護認定等基準時間が、90 分以上 110 分未満である状態またはこれに相当すると認められる状態 | |
| 要介護5 | 要介護認定等基準時間が、110 分以上である状態またはこれに相当すると認められる状態 |
介護保険が適用されるサービス
介護保険が適用される人は要支援度基準・要介護度によって受けられるサービスが異なりますが、実際にどのようなサービスを受けられるのでしょうか。ここでは、介護保険の適用範囲内で受けられるサービスの違いを表にまとめながら紹介します。
要支援・要介護の度合いによって提供されるサービスが異なる
非該当を含む要支援度・要介護度によって提供されるサービスは異なり、大まかには下記のように分かれます。
要支援1または2
介護保険の「予防給付サービス」が受けられます。予防給付サービスでは、デイサービスやデイケアといった自身または介助を受けて通所し、食事や入浴といった介助を受ける他、リハビリなどのサービスを受けるものです。
要介護1から5
介護保険の「介護給付サービス」を利用することができ、上記の予防給付サービスで受けられる内容の他に、老人保健施設や特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどに入居することができます。
非該当と認定された人
また、非該当と認定された人は、基本的に自立可能で健康状態も悪くないと判断されるため、介護保険を利用してサービスを受けることはできません。しかし、介護保険以外のサービス、及び地域支援事業の介護予防事業は利用できる場合もあるので、ケアマネージャーなどに一度相談してみましょう。
また、これを具体的に示すのが、以下の表になります。

フリックによる横スライド仕様となります。
| 要介護度 | 提供サービス区分 | 提供サービス区分 | サービス・施設 |
|---|---|---|---|
| 要支援1 ~ 要支援2 |
介護予防サービスが利用できます | 自宅で利用する | ホームヘルプサービス (介護予防訪問介護) |
| 介護予防訪問入浴介護 | |||
| 介護予防訪問看護 | |||
| 介護予防訪問リハビリテーション | |||
| 介護予防居宅療養管理指導 | |||
| 施設に通所する | デイサービス(介護予防通所介護) | ||
| デイケア(介護予防通所リハビリテーション) | |||
| 施設に短期間入所する | 介護予防短期入所生活介護(特別養護老人ホームなど) | ||
| 介護予防短期入所療養介護(老人保健施設など) | |||
| 福祉用具の貸与・購入補助や自宅の改修補助 | 介護予防福祉用具の貸与 | ||
| 特定福祉用具の購入費支給 | |||
| 住宅改修費の支給 | |||
| その他 | 介護予防特定施設入居者生活介護 | ||
| 介護予防支援 | |||
| 要介護1 ~ 要介護5 |
介護サービスが利用でき、在宅サービスか施設サービスかを選択することができます | 自宅に住みながら受ける在宅サービス | 訪問介護(ホームヘルプサービス) |
| 訪問入浴介護 | |||
| 訪問看護 | |||
| 訪問リハビリテーション | |||
| 居宅療養管理指導 | |||
| 通所介護(デイサービス) | |||
| 通所リハビリテーション(デイケア) | |||
| 短期入所生活介護(ショートステイ) | |||
| 短期入所療養介護(ショートステイ) | |||
| 福祉用具の貸与 | |||
| 特定福祉用具の購入費支給 | |||
| 住宅改修費の支給 | |||
| 夜間対応型訪問介護 | |||
| 認知症対応型通所介護(認知症高齢者専用デイサービス) | |||
| 小規模多機能ホーム介護 | |||
| 認知症高齢者老人グループホーム | |||
| 地域密着型特定施設入居者生活介護 | |||
| 地域密着型介護老人福祉施設 | |||
| 特定施設入居者生活介護 | |||
| 居宅介護支援 | |||
| 施設に入居して長期間または終身まで介護を受ける施設サービス | 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設) | ||
| 老人保健施設(介護老人保健施設) | |||
| 有料老人ホーム |
地域別加算表、地域区分一覧
介護保険制度では、介護を受ける人に支給される「介護報酬」は全国一律に定められていますが、地域によって人件費などが異なってくるため、国家公務員の地域手当をもとにした「調整額」が存在します。この調整額は「単位」として表示されます(ここでは分かりやすいよう円で表記してあります)。また、介護保険の自己負担額は一律1割と定められていますが、施設やサービスの料金は要支援・要介護の度合いによって異なるため、住んでいる地域や受けるサービスによって個々に費用が変わってきます。
これらを分かりやすくまとめているものが地域別加算表、地域区分一覧になります。
サービスや施設によって異なる自己負担額
公的な介護保険では、自己負担1割で介護サービスを受けられますが、特定施設に入所するのか在宅介護サービスを受けるのかによって負担額が変わります。また、要支援・要介護の度合いによっても自己負担額が変わりますので以下の表を参照して下さい。
※ただし、厚生労働省は高所得者に対する自己負担割合を、今後引き上げることを検討しています。

フリックによる横スライド仕様となります。
| 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 「特定施設入居者生活介護」の指定施設における自己負担額 | 6,090 | 14,070 | 17,130 | 19,230 | 21,330 | 23,400 | 25,530 |
| 在宅介護サービスにおける介護保険自己負担額 | 4,970 | 10,400 | 16,580 | 19,480 | 26,750 | 30,600 | 35,830 |
※上記金額を超えて介護サービスを利用する場合は、全額自己負担となります。
都会程高くなる介護施設・サービス利用料金
介護施設やサービスを利用する場合には、お住まいの地域によって料金が変わります。厚生労働省では地域ごとによっていくら加算されるのかを発表していますので、以下の表を参照して下さい。
【地域区分表】

フリックによる横スライド仕様となります。
| 地域区分 | 都道府県 | 地域 |
|---|---|---|
| 1級地 | 東京都 | 23区 |
| 2級地 | 東京都 | 多摩市、稲城市、西東京市 |
| 神奈川県 | 鎌倉市 | |
| 大阪府 | 大阪市 | |
| 3級地 | 東京都 | 八王子市、立川市、武蔵野市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小平市、日野市、国分寺市、国立市、狛江市 |
| 神奈川県 | 横浜市、川崎市 | |
| 愛知県 | 名古屋市 | |
| 大阪府 | 吹田市、寝屋川市 | |
| 兵庫県 | 西宮市、芦屋市、宝塚市 | |
| 4級地 | 埼玉県 | さいたま市 |
| 千葉県 | 千葉市 | |
| 東京都 | 三鷹市、小金井市、東村山市、東久留米市 | |
| 神奈川県 | 横須賀市 | |
| 京都府 | 京都市 | |
| 大阪府 | 堺市、豊中市、池田市、高槻市、守口市、枚方市、茨木市、八尾市、大東市、箕面市、門真市、摂津市、高石市、東大阪市、四條畷市、島本町 | |
| 兵庫県 | 神戸市、尼崎市 | |
| 福岡県 | 福岡市 | |
| 5級地 | 宮城県 | 仙台市 |
| 埼玉県 | 川越市、川口市、所沢市、狭山市、越谷市、蕨市、戸田市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、富士見市、ふじみ野市、三芳町 | |
| 千葉県 | 市川市、船橋市、松戸市、習志野市、柏市、浦安市、四街道市 | |
| 東京都 | 青梅市、福生市、清瀬市、羽村市、あきる野市、日の出町 | |
| 神奈川県 | 相模原市、平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、逗子市、厚木市、大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、綾瀬市、葉山町、寒川町 | |
| 静岡県 | 静岡市 | |
| 京都府 | 宇治市 | |
| 大阪府 | 岸和田市、泉大津市、貝塚市、泉佐野市、富田林市、河内長野市、松原市、和泉市、羽曳野市、藤井寺市、交野市、大阪狭山市、忠岡町 | |
| 兵庫県 | 三田市 | |
| 奈良県 | 奈良市、大和郡山市 | |
| 広島県 | 広島市、府中町 | |
| 5級地の2 | 兵庫県 | 伊丹市、川西市 |
| 6級地 | 北海道 | 札幌市 |
| 茨城県 | 水戸市、土浦市、古河市、石岡市、結城市、龍ケ崎市、下妻市、常総市、取手市、牛久市、つくば市、守谷市、那珂市、筑西市、坂東市、稲敷市、桜川市、つくばみらい市、阿見町、河内町、八千代町、五霞町、境町、利根町 | |
| 栃木県 | 宇都宮市、栃木市、鹿沼市、日光市、小山市、真岡市、大田原市、さくら市、下野市、壬生町、野木町 | |
| 群馬県 | 前橋市、高崎市、伊勢崎市、太田市、渋川町、榛東村、玉村町、千代田町、大泉町 | |
| 埼玉県 | 行田市、飯能市、加須市、東松山市、春日部市、羽生市、鴻巣市、上尾市、草加市、入間市、桶川市、久喜市、八潮市、三郷市、蓮田市、坂戸市、幸手市、鶴ヶ島市、日高市、吉川市、毛呂山町、越生町、滑川町、嵐山町、川島町、吉見町、鳩山町、ときがわ町、宮代町、白岡町、杉戸町、松伏町 | |
| 千葉県 | 木更津市、野田市、佐倉市、東金市、市原市、流山市、八千代市、我孫子市、鎌ヶ谷市、君津市、袖ヶ浦市、八街市、印西市、白井市、富里市、山武市、酒々井市、栄町、大網白里町、長柄町、長南町 | |
| 東京都 | 瑞穂町、檜原村 | |
| 神奈川県 | 小田原市、三浦市、秦野市、二宮町、中井町、大井町、山北町、箱根町、愛川町、清川村 | |
| 石川県 | 金沢市 | |
| 福井県 | 福井市 | |
| 山梨県 | 甲府市 | |
| 長野県 | 長野市、松本市、上田市 | |
| 静岡県 | 浜松市、沼津市、三島市、富士宮市、島田市、富士市、磐田市、焼津市、掛川市、藤枝市、御殿場市、袋井市、裾野市、湖西市、函南町、清水町、長泉町、小山町、川根本町、森町 | |
| 愛知県 | 豊橋市、岡崎市、一宮市、瀬戸市、半田市、春日井市、豊川市、津島市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、犬山市、江南市、小牧市、稲沢市、新城市、東海市、大府市、知多市、知立市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、豊明市、日進市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥富市、みよし市、あま市、長久手市、東郷町、豊山町、大口町、扶桑町、蟹江町、飛島村、阿久比町、東浦町、幸田町 | |
| 三重県 | 津市、四日市市、桑名市、鈴鹿市、名張市、亀山市、いなべ市、伊賀市、木曽岬町、東員町、朝日町、川越町 | |
| 滋賀県 | 彦根市、長浜市、草津市、守山市、栗東市、甲賀市、野洲市、高島市、米原市、多賀町 | |
| 京都府 | 亀岡市、城陽市、向日市、長岡京市、八幡市、京田辺市、南丹市、木津川市、久殿山町、井手町、宇治田原町、笠置町、精華町、南山城村 | |
| 大阪府 | 柏原市、泉南市、阪南市、豊能町、田尻町、岬町、千早赤阪村 | |
| 兵庫県 | 姫路市、加古川市、三木市、高砂市、小野市、加西市、加東市、猪名川町、稲美町、播磨町 | |
| 奈良県 | 天理市、橿原市、桜井市、五條市、生駒市、香芝市、葛城市、宇陀市、山添村、平群町、三郷町、斑鳩町、安堵町、川西町、田原本町、曽爾村、明日香村、上牧町、王寺町、広陵町、河合町、吉野町 | |
| 和歌山県 | 和歌山市、橋下市、紀の川市、岩出市、かつらぎ町 | |
| 岡山県 | 岡山市 | |
| 広島県 | 廿日市市、海田町、坂町 | |
| 山口県 | 周防市 | |
| 福岡県 | 北九州市、飯塚市、筑紫野市、春日市、大野城市、太宰府市、福津市、糸島市、那珂川町、宇美町、志免町、須恵町、久山町、粕屋町 | |
| 長崎県 | 長崎市 | |
| 6級地の2 | 東京都 | 東大和市、武蔵村山市 |
| 大阪府 | 熊取町 | |
| 兵庫県 | 明石市 | |
| その他 | その他の地域 | その他の市区町村 |
【地域区分別加算表】
サービス種類(※)
- 居宅療養管理指導
- 福祉用具貸与

フリックによる横スライド仕様となります。
| 1級地 | 2級地 | 3級地 | 4級地 | 5級地の2 | 5級地 | 6級地の2 | 6級地 | その他 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10円 | ||||||||
サービス種類(※)
- 通所介護
- 短期入所生活介護
- 短期入所療養介護
- 特定施設入居者生活介護
- 認知症対応型共同生活介護
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
- 介護老人福祉施設サービス
- 介護老人保健施設サービス
- 介護療養型医療施設サービス

フリックによる横スライド仕様となります。
| 1級地 | 2級地 | 3級地 | 4級地 | 5級地の2 | 5級地 | 6級地の2 | 6級地 | その他 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10.81円 | 10.68円 | 10.54円 | 10.45円 | 10.41円 | 10.27円 | 10.23円 | 10.14円 | 10円 |
サービス種類(※)
- 訪問リハビリテーション
- 通所リハビリテーション
- 認知症対応型通所介護
- 小規模多機能型居宅介護
- 複合型サービス

フリックによる横スライド仕様となります。
| 1級地 | 2級地 | 3級地 | 4級地 | 5級地の2 | 5級地 | 6級地の2 | 6級地 | その他 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10.99円 | 10.83円 | 10.66円 | 10.55円 | 10.50円 | 10.33円 | 10.28円 | 10.17円 | 10円 |
サービス種類(※)
- 訪問介護
- 訪問入浴介護
- 訪問看護
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- 夜間対応型訪問介護
- 居宅介護支援
- 介護予防支援

フリックによる横スライド仕様となります。
| 1級地 | 2級地 | 3級地 | 4級地 | 5級地の2 | 5級地 | 6級地の2 | 6級地 | その他 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 11.26円 | 11.05円 | 10.84円 | 10.70円 | 10.63円 | 10.42円 | 10.35円 | 10.21円 | 10円 |
認知症の種類
認知症はかつて「痴呆(ちほう)」と呼ばれていましたが、高齢者介護が多様化してくると、痴呆にも様々な状態があることが医学的に分かってきました。そのため、2004年に厚生労働省が「認知症」というひとつの病名として扱うようになりました。
認知症は病原など人によって様々な種類がある
認知症は、正常だった脳が老齢や病気などによって、記憶や判断力など一定程度の知能低下が見られた状態(6ヵ月以上)に使用される病名の総称です。そのため、認知症と一口に言っても様々な種類があり、その治療方法なども変わってきます。また、認知症の種類は原因によって大別され、脳内の神経細胞に異常が起きたことで起こる「変性性認知症」、脳梗塞など脳の血管異常が原因で起こる「脳血管性認知症」、脳挫傷や脳腫瘍、脳炎などの病気が原因で起きる「その他の認知症」に分けられます。
変性性認知症
「変性性認知症」は、認知症と呼ばれる症状の中で最も多いタイプで、主に「アルツハイマー型認知症」、「レビー小体型認知症」、「前頭側頭型認知症(ピック病)」に分けられます。
- アルツハイマー型認知症
- 日本で最も認知症の症例として多いのが、このアルツハイマー型です。アルツハイマーの原因は今のところ不明とされていますが、高齢になると、脳にシミのようなもの(老人斑)ができる人が多く、老人斑がアルツハイマーの原因と見る説が有力とされています。
- レビー小体型認知症
- 脳の大脳皮質の多数の神経細胞内に異常をきたすレビー小体病という病気が原因で起こる認知症で、名前はあまり知られていませんが、日本でも多く症例の見られる症状です。
- 前頭側頭型認知症(ピック病)
- 前頭葉と側頭葉が萎縮することで起こる認知症です。人格を司る前頭葉に問題が起きるため、うつ病などと診断される場合もあります。
脳血管性認知症
「脳血管性認知症」は、脳出血や脳梗塞など脳内の血管に異常が起きることで発症する認知症のことを指します。言わば、脳における病気の後遺症のようなものと捉えられており、突発的に起きることのある脳出血によって急激に認知症が始まる場合もあれば、脳梗塞など徐々に血管が詰まることで緩やかに進行する場合もあります。日本では脳梗塞による認知症が70%程占めており、脳梗塞への予防が認知症予防にもつながると考えられています。
その他の認知症
その他の原因による認知症は以下のようなものがあります。
- 若年性認知症
- 65歳未満で認知症と診断される場合に用いられる認知症で、アルツハイマー型と同様に原因が特定できないものも多く、進行が早いのが特徴です。
- 糖尿病による認知症
- 近年の研究から糖尿病が血管性認知症やアルツハイマー型認知症の危険因子であることが明らかになってきています。
- パーキンソン病による認知症
- 老齢になることで遺伝子や神経細胞に異常をきたす場合があり、手足の震えや身体機能が著しく低下するパーキンソン病にかかる場合があります。パーキンソン病が進行することで認知症になる場合もあります。
認知症の症状と対応
認知症は、発症の原因やその症状も様々です。ここでは3大認知症と言われる「アルツハイマー型認知症」、「脳血管性認知症」、「レビー小体型認知症」の症状と対応策について解説します。
認知症の中核症状と周辺症状
認知症は主に「アルツハイマー型認知症」、「脳血管性認知症」、「レビー小体型認知症」に分けられます。症状は2つに分けられ、どの認知症にも共通してみられる「中核症状」と、中核症状の影響で派生して起きる「周辺症状」に分けられます。「中核症状」は、脳の細胞が死んでいくことで起こる記憶力の低下や理解、判断力の低下といった症状です。中核症状は、基本的に根治が不可能とされていますが、ケアによって進行を遅らせることができます。また、「周辺症状」は認知症のストレスから心身のバランスを崩し、攻撃的な言動や妄想、徘徊、排泄の混乱、無気力、過食といった症状のことを言います。周辺症状は主にストレスを緩和することで和らぐことがあります。
アルツハイマー型認知症の症状
「アルツハイマー型認知症」の症状は、40歳代~90歳代の間に発症することが多く、心身の機能が全般的にゆっくり低下していくため、中核症状である物忘れの自覚がないのが特徴です。ただ、診断では脳の萎縮が分かるため早期に発見できる場合も多く、早期からケアをすることで、進行を遅らせることができます(若年性の場合には進行が早いので注意が必要です)。
脳血管性認知症の症状
「脳血管性認知症」は文字通り、脳の血管異常で起こる認知症です。脳梗塞や脳出血といった脳血管疾患が起きると脳細胞の働きが失われてしまい、一部の脳が損傷します。そのため、アルツハイマー型とは違って全体的ではなく部分的な機能が失われることが多く、片麻痺、嚥下(えんげ)障害、言語障害などの身体症状が多く見られます。また、人格的には保たれることが多いので、認知症とは言え、原因を突き止めやすい部類です。比較的、男性に多く見られるという特徴もあります。脳血管性認知症の場合には、脳梗塞などの症状を緩和することで認知症も緩和されることがありますが、同様に再発する危険性もあるので、認知症とは別に脳疾患の治療をしっかり行なうことが大切です。
レビー小体型認知症の症状
「レビー小体型認知症」は、アルツハイマー型認知症に似ているため間違われる場合がありますが、早期発見ができれば治療の効果が期待できます。脳内の脳幹や大脳皮質に、レビー小体という異常な細胞が蓄積することで起きる病気で、症状は主にパーキーソン病に類似した手足の痺れや麻痺、筋肉の硬直などが見られることが多く、幻視(まぼろしを見る)の症状もあります。また、男性は女性の2倍の発症率となっています。
認知症にかかった場合には、周囲の人のサポートが必要です。認知症の人には自覚がないのに物忘れが激しくなるなど、原因が分からないためにストレスを非常に抱えることが多いので、周囲の人はとにかく肯定的に接し、間違いや失敗も大らかに対応してあげましょう。また、認知症への判断に決め付けは禁物です。正しい医療機関に相談し、適切なケアを行なうようにしましょう。
民間の介護保険について
介護保険は一般的に公的な介護保険のことを指し、利用者の自己負担額は原則1割となっていますが、将来的には2割負担となる可能性も示唆されています。このような状況から、民間介護保険への注目が集まっています。
民間介護保険が注目される理由
高学歴化に伴う晩婚化や非婚化、託児施設の不足などにより、少子化が進む一方、平均寿命は年々延び、超高齢化が進んでいます。このような状況の中、現役世代が高齢者を支える介護保険制度は財源確保が難しくなってきており、今後、制度や基準の改定も見込まれています。そこで、将来の不安を民間の介護保険で補完しようとする人が増えてきました。
民間介護保険はどう支払われる?
介護が必要になった場合には介護保険を利用することになりますが、公的介護保険では上限が決められています。また、介護施設に入所した場合などは自己負担額も高額になりがちで、実際のところは公的介護保険だけで介護を十分にまかなえる家庭は少ないというのが現状です。そのため、民間介護保険では、ある程度若いときから積み立てのように保険料を支払い、「要介護認定」されたときに保険金として支払われるタイプのものが主流となっています。
保険金の受け取りについては、終身的に続く「年金タイプ」と、要介護認定時に一括で支払われる「一時金タイプ」があり、その両方で支払われるタイプもあります。
ただし、保険会社によって支払い基準はまちまちで、要介護2以上にならないと支払われない場合や即座に保険金が支払われない場合もあります。また、高齢者が必ずしも介護が必要になるとは限らず、保険会社によっては掛け捨てのタイプと解約時に返戻金があるタイプに分かれるので、保険の内容については加入前に十分に吟味する必要があります。
民間介護保険の選び方
民間介護保険は「生命保険会社」の保険商品内容から比較することができます。生命保険会社の介護保険商品には、高齢者が直面しやすい病気についてもカバーされた医療保険や死亡保険などとミックスされた保険などもあり、各社によってかなり異なります。そのため、「保障内容」、「保険金額」、「支払い基準」、「料金」の4項目は必ず比較しましょう。また、なかなか比較が難しい場合には、介護保険で月5万円が給付されるものをひとつの目安と考えれば、それが標準的な介護保険となりますので、分かりやすくなるでしょう。給付される額が5万円よりも高ければ標準的な介護保険よりも保障内容の厚い保険の可能性がありますし、5万円よりも低ければ保障は充実していないかもしれません。ただし、保険料は今後上がってくる可能性が高いので、各生命保険会社のホームページなどで適宜、調べておくと良いでしょう。
地域包括ケアシステムについて
日本は世界の先進国の中でも非常に早いスピードで高齢化が進んでいます。そのため、これからの高齢化社会をより良い社会にするためには「自分が住み慣れた地域で可能な限り長く暮らしたい」という高齢者の人の思いを実現することが必要だと考えられています。そこで、厚生労働省は生活支援や介護支援を地域で包括的にケアできるシステムの構築に乗り出しました。
今後の高齢化社会について
高齢者とされる65歳以上の人口はすでに3,180万人を突破(2013年現在)し、国民の4人に1人が高齢者という状況となっています。また、人口問題研究所によれば今後、2040年まで高齢者人口は増え続けるばかりか、2048年には日本の人口は1億人を割り、出生率が劇的に改善されなければ、今後50年の高齢化率は上昇の一途をたどると試算されています。高齢化率が高くなれば、労働人口が減るため国の税収が下がると同時に社会保障給付費がまかなえるかどうかが問題となります。そのため、保険料を上げるか社会保障給付費を下げるかなどの政策が必要になると考えられています。また、介護保険制度も今後、大きく変化する可能性もあります。
地域包括ケアシステムの5つの要素
こうした極端な高齢化社会を迎える国民にとっては、保険料や介護費用といったお金の問題をクリアすることは困難な状況です。そこで、高齢者が生活環境をできるだけ変えずに自立した日常生活を送れるよう、地域が一体となって医療から介護、予防、福祉といったあらゆるサービスを包括的に行なうシステムの構築が進められています。これまでは個人がサービスを購入し、業者は個人にサービスを提供するといった二元的な介護システムだったのを、地域が市場サービスと協力しつつ、高齢者もできることは自分ですることにより、地域全体で高齢者を支えるような体制を作るという考え方です。これまで行政の役割は公助がメインでしたが、これに「自助(自ら助ける)」、「互助(互いに支えあう)」、「共助(協力して助け合う)」という要素を付け加えたシステムとなります。
地域包括ケアシステムで変わること
地域包括ケアシステムによって何が一番変わるかと言えば、これまで国が定めていたために画一的だった介護システムが、その地域に合った独自の介護システムを導入できるようになるため、住民との話し合いや自主的な活動から生まれる生活支援サービスを提供できるようになることです。
大都市のように事業者によるサービスを中心としたケアシステムもあれば、小さな町だからこそ隣近所が助け合って行なう生活支援など、これからは地域ごとによって高齢者のケアの仕方が変わり、そこに入る医療事業者、介護サービス事業者などのサービスも多様化していくことになるでしょう。
地域包括ケアシステムの取り組みと今後
介護が必要になっても、高齢者が住み慣れた町、住み慣れた家で自分らしい暮らし方ができる社会を目指して厚生労働省が取り組んでいる「地域包括ケアシステム」。現在の取り組みとこれからの地域ケアについて考えてみましょう。
各自治体の主な取り組み事例
地域包括ケアシステムは「医療から介護」、「病院・施設から地域・自宅」へと大きな流れを変える取り組みです。厚生労働省では2025年の実現に向けて、各自治体に3年ごとの介護保険事業計画の策定・実施を促していますが、すでにある程度の成果を得ている事例もあります。
- 鹿児島県大和村の取り組み
- 人口約1,600人の大和村では、村民が「地域支え合いマップ」を作り、近隣近所づきあいの大切さを再認識する取り組みを行なっています。この地図の作成後、村民が要介護者を喫茶店の"マスター"として抜擢して「ご近所喫茶」を催すなど、このような一連の活動から、要介護者が畑に出たり、家に引きこもりがちだった高齢者が外に出てアクティブな活動を行なうようになりました。また、村は必要に応じ、財政支援を行なうとともに、村民との対話の場を多く持つようになりました。
- 東京都世田谷区の取り組み
- 東京23区内最大の人口を有する世田谷区では、大都市ならではの事業者ネットワークを区の指導によって構築しています。高齢者が「医療」、「介護」、「住まい」、「予防」、「生活支援」をバランスよく享受できるよう、病院や老人ホーム、介護事業者、地域の高齢者クラブと連携すると同時に、NPO、事業者、大学などの団体が協力して、高齢者の社会参加の場や機会づくりを行なう「せたがや生涯現役ネットワーク」を作り、社会参加を促進しています。また、行政では、「区立高齢者センター」を民営化し、「都市型軽費老人ホーム」をオープンしたり、空き家・空き部屋などを再活用して地域活動のサロンにしたり、在宅医療の充実化を図るために、医療関係者やケアマネジャーらで構成する「世田谷区医療連携推進協議会」を発足させるなど、介護におけるインフラ整備に着手しています。
このように、過疎地域でも大都市でも、住民が中心となり、その住民にあった介護サービスを行なうことで高齢化社会を住みやすくしようと取り組んでいます。
今後の地域包括ケアを担う「地域包括支援センター」の存在
今後、地域包括ケアシステムが地域に浸透していくには、「地域包括支援センター」の存在が欠かせません。地域包括支援センターは、全国の市区町村に約4,300ヵ所設置(2013年現在)されており、地域の高齢者の総合的な相談にのったり、権利擁護や支援体制づくり、介護予防についての援助などを行なうなど、地域包括ケアシステムを円滑に動かすための中核組織となっています。
これらのシステムが順調に動くようになるには、まず第一に住民の意識が変わらないといけません。介護は、将来の自分自身が必要となるということを意識し、自分だったら要介護者にどのような手を差し伸べられるかを考え、将来の自分のために実際に行動することが重要です。
ホームヘルパー、行動援護従業者など
要介護者(要支援1~要介護5)のうち、60%以上の人が自宅での介護を希望しているという統計結果があります。しかしながら、在宅介護となると施設のように介護設備も整っていなければ、介護スタッフのように介護の知識や経験もないため、家族が在宅で介護をするのは大変なものです。そこで、在宅介護を行なっている家族の負担を減らし、サポートする人について説明します。
ホームヘルパーの仕事
「ホームヘルパー」とは、日常生活を送るのが難しい高齢者のために自宅に伺って、入浴や食事、排泄の介助から、清掃や炊飯など家事全般に至るまで様々なお手伝いをする人のことです。他に「訪問介護員」や「ヘルパー」などとも呼ばれています。介護保険法に規定されている「介護サービス事業所」で実務経験をしていないとなれない職業であり、民間資格ではあるものの信頼度の高い職業とされています。
ガイドヘルパーとは
「ガイドヘルパー」は、訪問介護の一環として、体が不自由な人たちの外出を手助けする人のことです。体が不自由な高齢者の人をサポートしながら、買い物や散歩といった外出に同伴したり、通院の手助けをすることが主な業務となっています。外食や旅行に付き添うこともあり、高齢者の自立と積極的な社会参加を促進する仕事でもあります。ホームヘルパーの資格だけではできなかった「視覚障害者」や「全身性障害者」の移動介助も行なえるので、視力がほとんどない高齢者や寝たきりの人を地域包括ケアセンターなどに連れて行くこともできます。
行動援護従業者
「行動援護従業者」とは、知的障害や精神障害をもつ人など、日常的な行動において著しい困難がある人に対して、訪問介護を行ない、行動上において危険から身を守るために付き添い援護する人です。例えば、外出の際、あらかじめ目的地や道順について事前に調べ、相手の不安を取り除くなど、行動援護をすることが主な業務になります。また、安全を確保しつつ、患者が問題行動を起こした場合にも適切な行動を取れるように導くという特殊なスキルが要求される資格でもあるので、重度の認知症を患っている高齢者がいる家族にとっては、頼れる存在です。
ケアマネージャー
もし、介護が必要となった場合、どの施設でどの介護サービスを利用するのが適しているのか、一般の人ではすぐには分かりません。このような問題を専門家の立場からアドバイスし、介護者の心身の状況を勘案しながら、最適な介護計画を作成すのが「ケアマネージャー」です。1ヵ月ごとのサービスに訪問する日数や、時間帯、利用する福祉用具など、要介護度に応じて計画を立て、介護者に適した「ケアプラン」を作成します。
ケアマネージャーの主な9つの業務
ケアマネージャーの仕事内容は大きく9つに分けることができます。
- 要介護者の相談・申込受付
- 高齢者本人、または家族から介護保険制度についての相談を受け、アドバイスや申請手続きの代行を行ないます。
- 訪問調査
- 介護保険の申請が行なわれると、自治体からの依頼により、ケアマネージャーは高齢者の家に訪問調査を行ないます。
- 面接
- 要介護認定された高齢者に対して面接を行ない、家族や本人の希望、健康状態など、ケアプランを作成するためのヒアリングを行ないます。
- アセスメント(課題分析)
- 利用者の要望や課題について分析します。
- ケアプランの作成
- 生活上の目標や具体的な介護サービスの利用計画を立てます。
- サービス担当者との会議
- 利用する介護サービス事業者に対し、スムーズにサービスが提供されるように担当者と調整をします。
- モニタリング
- 利用者や家族、主治の医師、指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行ない、問題がある場合は、課題分析を改めて行なうなど、介護サービスの修正を図ります。
- 介護保険施設との連携
- 施設の担当者と連携を図り、よりスムーズな支援を行なうように努めるのもケアマネージャーの重要な業務のひとつです。
- 介護保険給付の管理
- 介護報酬の請求などを行ないます。
良いケアマネージャーの探し方
ケアマネージャーは、利用者と介護サービス事業者をつなぐ重要な役目を担っており、介護を円滑に実施できるようにするための司令塔のような存在です。そのため、ケアマネージャーの役割は非常に重要であり、より親身になってケアプランを作ってもらえるケアマネージャー探すことがポイントとなってきます。良いケアマネージャーを探すには、まず市区町村の介護保険課や地域包括ケアセンターなどにあるケアマネージャーのリストを入手します。そこから、主治医や同じ地域でサービスを受けている知り合いなどから評判を聞いてみましょう。ケアマネージャーはほとんどの場合が、老人ホームや介護サービス事業者などに所属しているため、施設に通っている人からも評判を聞ける可能性もあります。
また、直接気になるケアマネージャーさんに相談をしてみて、自分なりの評価をしてみるのもひとつの手段です。ケアマネージャーになるには、最低でも5年の実務経験がなければ資格を取得できないため、基本的にはしっかりとしたアドバイスをしてくれますが、ケアマネージャーさんの人柄や価値観もそれぞれですので、自分に合ったケアマネージャーさんを見付けましょう。
ケアワーカー(介護福祉士)
「ケアワーカー」とは、1987年に誕生した「社会福祉士及び介護福祉士法」の規定に基づいた国家資格であり、その資格保有している人を指します。別名「介護福祉士」とも呼ばれ、介護福祉分野においては唯一の国家資格です。
ケアワーカーの主な仕事
「ケアワーカー(介護福祉士)」の仕事は、主にお年寄りや身体上、または精神上の障がいがある人の日常生活をサポートすることです。食事や排泄、車いすでの移動といった身の回りの世話はもちろん、家事や清掃などの家事の援助まで、日常生活全般にかかわることをサポートする業務範囲の広い職種です。また、要介護者としっかりコミュニケーションを取ったり、話し相手になったりすることで、利用者の精神的なケアも行ないます。
近年では、介護福祉施設が多様化したことに伴い、ケアワーカーのサービスも多岐にわたるようになりました。利用者のライフスタイルは一人ひとり異なり、その人のライフスタイルに合わせた介護サービスを提供することが求められるため、臨機応変に対応できる人が向いていると言われています。
家族へのケアも重要な仕事
介護福祉士が行なう仕事は、要介護者の日常生活のサポートをするだけではありません。実は意外に重要なのが、家族への援助です。介護を受けているお年寄りの中には経済的に困っている人もいれば、家族との仲が良くない人もいます。こうした諸問題に対して、介護福祉士は「適切な介護を遂行する」という観点から、家族が抱える問題や本人が抱える問題についても真摯に聞き、問題解決へと導き、適切なサービスの提供を行なえるようにしていく役割も担っています。
ホームヘルパーとの違い
「ケアワーカー」は、ホームヘルパーと同様に要介護者の自宅を訪問し、介護サービスを提供しますが、ホームヘルパーは「訪問介護員」とも呼ばれるように、自宅または老人ホームなどに訪問して介護サービスを行なうのに対し、ケアワーカーは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、デイケアセンターや障害福祉サービス事業所など常駐している場合もあります。
また、ホームヘルパーは「民間資格」であるのに対し、ケアワーカーは「国家資格」という点でも異なります。そのため、ケアワーカーは、言わば「介護におけるプロフェッショナル」とも言えます。
ソーシャルワーカー
「ソーシャルワーカー」とは、言わゆる「社会福祉士」と「精神保健福祉士」という国家資格を2つ持つ社会福祉専門職の総称です。日常生活を送るのに困難を抱えている人の相談にのったり、助言や指導を行なうのが主な業務となっています。
社会福祉士と精神保健福祉士
「ソーシャルワーカー」は、医療、高齢者、児童、身体障害者などの社会福祉全分野を担う「社会福祉士」と、精神障害者の保健・福祉分野に特化した「精神保健福祉士」の2つに分かれます。介護では、一般的に社会福祉士のことを「ソーシャルワーカー」と呼んでいます。
社会福祉士・生活相談員の仕事内容
高齢者福祉施設や障害者福祉施設などで、地域住民の相談窓口となる社会福祉士の業務内容は非常に幅広く、特に福祉施設で働く社会福祉士のことを「生活相談員」と呼びます。
生活相談員は、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの老人福祉施設で入居者が快適に暮らせるように、本人や家族の相談に耳を傾けながら援助計画を立てたり、入所手続きをサポートしたりします。
また、身体障害者施設や知的障害者施設に入所している高齢者に対して生活援助を行ないながら、自立のための訓練や指導をする生活相談員もいます。
どちらのケースも、施設のスタッフや福祉事務所といった関連機関との連絡や調整、場合によっては、介護の仕事もこなさなければならないこともあり、業務範囲は施設によって変わってきます。
いろいろな呼び方のある「ソーシャルワーカー」
「ソーシャルワーカー」には様々な呼び方があり、ケースバイケースで呼び方が変わります。そこで、主に介護の場面で呼ばれているソーシャルワーカーの名称を紹介します。
- 作業相談員
- 身体に障害がある人を援助する社会福祉士です。身体障害福祉施設や知的障害者福祉ホームなどに従事しています。
- 査察指導員(スーパーバイザー)
- 査察指導員は、「スーパーバイザー」とも呼ばれており、貧困や高齢により生活難となった方に助言を行なう「ケースワーカー」よりも専門的な助言を行なう他、指導訓練、業務の進行管理・職員管理などを行ないます。
- コミュニティーワーカー
- 都道府県や市区町村の社会福祉協議会に在職するソーシャルワーカーのことです。地域住民の介護ボランティアを募ったり、地域包括ケアセンターなどと連携しながら高齢化社会における地域の在り方について、住民同士が暮らしやすくなるような環境を作ることに従事しています。
介護事務管理士・ケアクラーク
介護に関する資格も種類が多く、中には違いが分かりにくい資格もあります。そのうち、介護の資格でよく似ているのが「介護事務管理士」と「ケアクラーク」です。どちらも介護事務の資格ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
介護事務管理士とケアクラークの違いとは
「介護事務管理士」、「ケアクラーク」ともに「介護事務」の資格ですが、民間資格で認定団体が異なることから、異なる名称が付けられています。
資格内容はどちらも一緒で、老人ホームやデイサービスセンターなどの介護施設において「介護報酬請求」などの介護事務を行なうための資格です。
介護事務のスペシャリストとして、介護報酬の請求業務を中心に、ケアマネージャーの補佐なども行ない、事業所によっては窓口の対応を行なう場合もあります。実際に介護サービスを施す訳ではありませんが、要介護者などと接遇の機会も多いので、一般的な事務職に比べ、ホスピタリティー精神が求められる職種です。
介護事務管理士になるには
介護事務管理士となるための技能認定試験は「技能認定振興協会」が認定しています。学科試験では介護報酬請求に関する知識と技能が問われ、関連法規の知識や介護報酬計算ができなければ試験を合格することはできません。また、実技試験では、レセプト(介護給付費明細書)点検と、レセプトを作成する技能について試されます。ケアクラークの試験に比べ、実技に重点が置かれていると言われています。
ケアクラークになるには
「ケアクラーク技能認定試験」は、「一般財団法人 日本医療教育財団」が実施しています。試験は介護事務管理士と同様に学科と実技で構成されていますが、ケアクラークの場合、筆記試験では介護報酬請求事務の他に、介護事務職として必要なコミュニケーション能力や社会福祉、リハビリや医学に関する内容が出題され、より幅広い知識が必要となります。実技試験では、介護事務管理士と同様、レセプト作成の技能について試されます。
介護保険事務士
介護保険制度により、自己負担は1割で介護サービスを受けられますが、この制度を利用するには介護報酬請求が必要です。この請求を行なってくれるのが「介護保険事務士」です。
介護報酬請求の仕組み
一般的に介護保険請求と呼ばれている「介護報酬請求」は、介護事務の中で最も重要な業務です。介護保険制度に基づいて介護サービスを提供する事業所は、サービスの対価として、介護サービスの利用者(要介護者)から1割を自己負担として費用を支払ってもらい、残りの9割は市区町村に請求します。この仕事を「介護報酬請求業務」と言います。市区町村に請求する明細書は「レセプト」と呼ばれ、サービスの単位数や保険番号、生年月日などを正確に記入し、かつ毎月10日という締め切りを絶対に守らないと支払われません。事業者にとっては9割の売上がかかっていますので、大変重要な仕事です。この重要な業務を行なうのが「介護保険事務士」です。
介護保険事務士の役割
「介護保険事務士(上級)」は「一般財団法人つしま医療福祉研究財団」が認定しており、介護保険制度に精通した介護給付費請求事務、及び給付管理事務のエキスパートであることを認定する資格です。介護サービス事業所や老人ホームなどの施設管理者、サービス提供責任者、ケアマネージャーといった介護における上級クラスの職種の人にも役立つ資格として知られており、介護職を目指す人の中には「介護保険事務士」も合わせて取得する人もいます。
介護報酬請求以外にも、新しく介護保険を利用する人に対しての受付や手続きの他、要介護認定の申請手続きのサポート、介護保険の受給資格の確認、ケアマネージャーの事務作業におけるサポートなど、様々な業務を担っています。
介護事務は、現場の介護職の人たちがスムーズに仕事ができるようにサポートする仕事で、今後も需要の増加が期待されている仕事です。中には、介護事務のエキスパートとして独立する人もいるなど、介護の仕事の中では将来の選択肢が広がりやすい仕事だといわれています。また、ケアワーカーなどの資格を持ち、介護士と介護事務を兼任している人も多くいます。
介護サポーター
「介護サポーター」とは、高齢化社会に向けてより住みやすい地域を目指し、都道府県や市区町村などの自治体を中心に、介護が必要な人を元気な高齢者が支えるために活動する、有償またはボランティアのことを言います。ここでは、介護サポーターについて解説します。
介護予防の重要性
これからますます高齢化社会が進むことを見据え、厚生労働省は各自治体に対して「介護予防事業」を推進しています。介護予防は、単に運動機能や健康状態の改善を目指すだけではなく、高齢者が可能な限り自立して生活できるような地域づくりが重要だとしています。これまでは、地域や自治体が中心となって介護予防プログラムを作っても、参加率が伸び悩むといった課題がありましたが、近所の人が参加を呼びかけるなど、高齢者が気軽に参加できるような環境づくりを地域包括支援センターが中心となって行ない、元気な高齢者による「介護予防サポーター」の育成を進めています。
地域によって特色のある介護サポーター
介護サポーターは、地域によってその役割や呼び方は異なり、「介護予防サポーター」や「介護支援サポーター」、「生活・介護支援サポーター」などと呼ばれています。例えば、千葉県柏市では、高齢者が地域福祉活動を通じて社会参加や地域貢献を行なうことで、高齢者自らの介護予防にもなるという「介護支援サポーター」という制度を設けています。福祉活動を行ないたいと考える高齢者がボランティアとして市に登録し、介護保険施設などで有償のボランティア活動などを行なえる制度です。また、三重県松阪市では「介護予防いきいきサポーター」と称して養成講座を行ない、介護予防、及び健康づくりについて学び、地域包括支援センターが行なっている介護予防教室のサポーターとして活動の大切さを伝えていく仕組みを作っています。また、東京都清瀬市では、介護サポーターとしての活動状況に応じてポイントが与えられ、ポイントを金銭に換えることのできる有償制度を設けています。
介護サポーターを目指すことが介護予防に
介護サポーター制度は、各地域の高齢者が自ら率先して社会活動に参加することで、自らの介護予防にも繋がる他、要介護状態となったとしても自ら率先してリハビリや介護保険施設を気軽に利用できるようになるという効果があります。
また、高齢者が元気に社会活動を行なうことで地域が活性化するため、可能な限り自立した生活を送れるような地域づくりができると厚生労働省は期待しています。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
介護は、日常生活をサポートすると同時に、日常生活を送れるように自立を促すという目的もあります。こうした要介護者の自立を手助けするのが、「理学療法士」、「作業療法士」、「言語聴覚士」です。ここでは、それぞれの仕事内容について解説します。
身体の動きに関するエキスパート「理学療法士」
「理学療法」とは、身体の機能回復・維持を目的に身体と心の両面から働きかける療法のひとつです。「理学療法士」はそのエキスパートで、いわゆる「リハビリ」を通して、病気やけがの回復を促し、自立した日常生活を送れるようにする役割を担っています。歩行や起立などの基本的動作の改善、体操や身体機能の改善などの最適な治療プラグラムを作成し、治療に挑みます。また、痛みや麻痺を緩和するために、温熱や電気を利用した治療を行ないます。こうした治療を通して自立支援や生活支援、健康増進を促す他に、高齢者のための介護予防にも役立つ運動療法なども行ないます。
こころの治療も行なう「作業療法士」
「作業療法士」は、リハビリテーション医療において中心的な存在で、理学療法士が「運動機能」をメインで治療するのに対し、作業療法士は、理学療法士が行なう治療に加え、躁うつ病や認知症などに対応する「こころの治療」も行なうため、治療の範囲は非常に広範囲にわたります。「日常生活活動(ADL)」ができるようになるための治療や援助を行なう作業療法士は、具体的には趣味、嗜好などを考慮しながら目標を設定し、園芸、手芸、陶芸といった作業活動を通して社会的適応能力や応用動作能力の回復を進めていきます。また、老齢によって生きがいを失っている人に対して、より前向きに生きていけるように心理的、社会的な面から指導や援助を行ない、日常生活の充実を図っていくといった重要な役割を担っています。
言葉・食事に関するリハビリのプロ「言語聴覚士」
「言語聴覚士」と聞くと言語や聴覚の専門家と考えられがちですが、病気の後遺症や老齢などによって言葉が上手く話せない、耳が遠いといったコミュニケーションに問題を抱えた方だけでなく、食べたり飲んだりといった食事に関することで困難を抱えている方に対してもリハビリを行なうスペシャリストです。例えば、嚥下障害がある場合は、障害の程度に応じて、口を開ける、物を噛む、飲み込むといった練習を促し、適切な食事内容や食事方法の指導なども行ないます。また、聴覚障害や耳が遠いお年寄りの人に対しては、補聴器や点字器など用いて練習をしたり、人工内耳や補聴器といった補助器の使用方法について指導するのも言語聴覚士の役割です。
福祉住環境コーディネーター
在宅介護を受けているお年寄りにとって、一番長く時間を過ごす住まいの環境はとても重要です。高齢者や障害者に住みやすい住環境を提案(コーディネイト)して、自立した生活を促し、介護をサポートしているのが「福祉住環境コーディネーター」です。
「福祉住環境コーディネーター」とは
「福祉住環境コーディネーター」は、「福祉住環境コーディネーター協会」が認定する民間資格です。高齢者や障害者に対し、できるだけ自立できる生活環境を提案し、高齢者が安全かつ快適に暮らせるようにする住まいのアドバイザーです。1級~3級に分かれていて、実際に就職するためには2級以上の資格を求められると言われています。
福祉住環境コーディネーターが誕生した経緯
福祉住環境コーディネーターは、1999年に東京商工会議所がスタートさせた民間資格です。従来は「住環境の整備」を行なうにも、建築なら建築家、医療なら医師と、個々の専門家に聞かなければいけませんでした。しかし、社会の高齢化が進んでくると、高齢者にとって暮らしやすい住環境を整えるためには、「建築」、「医療」、「介護福祉」の総合的な観点から住環境の提案をし、ケアマネージャーや建築士などと仲介する役を一手に担える人が必要となってきました。そこで登場したのが「福祉住環境コーディネーター」です。2000年に介護保険制度が導入され、高齢者住宅の改修費が一部保険でまかなえるようになったことも後押しとなり、「福祉住環境コーディネーター」の存在が次第に注目されるようになりました。
福祉住環境コーディネーターの仕事内容
福祉住環境コーディネーターの有資格者は、医療、福祉、建築の各分野において総合的な幅広い知識を持っています。この知識をもとに、社会福祉士、ケアマネージャー、建築士といった各種の専門家と連携をとりながら、バリアフリー住宅の新築、またはリフォームについて相談や指示をしたり、福祉用具・介護機器のコーディネイト、さらに福祉用具の利用法を利用者の方にアドバイスします。また、住宅改修費の助成を受けるために介護保険制度で義務付けられている「理由書」の作成は、ケアマネージャー、作業療法士の他に、福祉住環境コーディネーター(2級以上)が行なうことができます。福祉住環境コーディネーターの有資格者の中には、ホームヘルパーやケアマネージャーの資格を持っている人も多いため、住宅をどのようにリフォームすれば在宅介護がスムーズになるか、介護の観点からアドバイスを受けられることもあります。
